夜中にトイレに起きた時とか、朝起き上がる時は
体中の節々が痛くて(おそらくホルモン剤の副作用)
そのたびに「もう長くないんじゃないか」と妄想しますが
多少あちこち痛くても、無理やり体を動かしていると
そのうちに何とかなります。(同病の方は真似をしないでください)
そんなふらふらな体調はとりあえずスルーして
公開日の翌日、先週の土曜日に「虐殺器官」を観てきました。
トランプさんが大統領になってから、世界中がざわざわしているので
どこかで大規模なテロとか起きたら、公開自粛とかになりかねない。
もしも観られないなんてことになったら
本当に死んでも死にきれない、絶対に化けてでます。
しかしこれで伊藤計劃さんの長編2作「虐殺器官」「ハーモニー」と
円城塔さんとの合作の「屍者の帝国」の3作品すべてが長編のアニメ映画になり
伊藤計劃という作家を知らない人にも
観てもらえる可能性が増えたのは、嬉しい限りです。
「虐殺器官」と「ハーモニー」は
アニメとは言いながら、小説の雰囲気を最大限に生かす努力がされていたと思います。
これらのアニメを作られた人たちの、伊藤さんへの強い思いが感じられました。
「癌と闘病しながら凄い小説を執筆」とか「夭折の作家」というプロフィールから
悲劇の天才作家というようなイメージを持たれるかもしれませんが
私にとっての伊藤さんのイメージは「究極のオタク」です。
ご自身も多少自虐的に「旧オタ」というような言い方をされていますが
なぜ伊藤さんが旧世代のオタクかというと
母校の学園祭で後輩に会った時のブログにこう書かれています
「いまの子達はアニメとエロゲと漫画しか見ない。
映画の話ができる人はたぶんいない」
伊藤さんもアニメもエロゲも漫画も好きですけど
同じくらい大量の本を読み、映画を観、音楽を聴き、美術展に足を運ぶ方で
そういう突き詰め方をしなくなった若い世代に対する危機感があったのだと思います。
卑しくもオタクを自認するなら、サブカルチャーの全てを網羅するくらいの
誰にも負けない知識量と見識を持つべきではないかという歯がゆさが感じられます。
それからさらに10年近い時が流れた今
子どもたちが、ヒマな時間のほとんどをネットやスマホのゲームに費やし
人生の中で、わりに自由な時間がある学生時代に
本を読むことも、映画を観ることも、音楽を聴くことも少なくなった現状には
本当に心配なものがあります。
少し前に、伊藤さんが敬愛された
ゲームクリエーターさんの小島秀夫さんのインタビューを読んだのですが
小島さんの読書量というのも、これまたはんぱじゃない。
中学生で安部公房を読んで衝撃を受けたという話を読んで
「とてもじゃないけど全然かなわないわ」と、私のほうが衝撃を受けました。
「ゲームが好きだから、ゲームクリエーターになりたい」というので
高い学費を払って、専門学校に行ったはいいが
結局挫折して、奨学金の借金だけが残ったみたいなニュースを見ました。
ゲームが好きだから、ゲームをいっぱいやったから
ゲーム業界で仕事ができるというような、甘いものではないと思います。
アニメが好きだから、漫画家とかアニメーターにというのも同じです。
先日福岡で開催された、岡崎京子さんの「戦場のガールズライフ」という個展を観て
改めて、岡崎京子という漫画家の軌跡をたどった時にも
私たちに、人生が変わるほどの衝撃を与えるものを生み出す人というのは
目には見えない、土台のところに蓄積されているものが半端ないということを
改めて認識しました。
アルコールにしろ、ギャンブルやネットにしろ
一つのものに過度に依存するのは「人生のすりおろし」だと聞いたことがあります。
長いようで案外短い人生を、無意味にすりおろして、ただ捨てていくのではなく
特に若い人たちには、いろんなものを見て、知って、考えて、経験して
その土台の上に、自分の人生や未来を構築してもらいたいと思います。
体中の節々が痛くて(おそらくホルモン剤の副作用)
そのたびに「もう長くないんじゃないか」と妄想しますが
多少あちこち痛くても、無理やり体を動かしていると
そのうちに何とかなります。(同病の方は真似をしないでください)
そんなふらふらな体調はとりあえずスルーして
公開日の翌日、先週の土曜日に「虐殺器官」を観てきました。
トランプさんが大統領になってから、世界中がざわざわしているので
どこかで大規模なテロとか起きたら、公開自粛とかになりかねない。
もしも観られないなんてことになったら
本当に死んでも死にきれない、絶対に化けてでます。
しかしこれで伊藤計劃さんの長編2作「虐殺器官」「ハーモニー」と
円城塔さんとの合作の「屍者の帝国」の3作品すべてが長編のアニメ映画になり
伊藤計劃という作家を知らない人にも
観てもらえる可能性が増えたのは、嬉しい限りです。
「虐殺器官」と「ハーモニー」は
アニメとは言いながら、小説の雰囲気を最大限に生かす努力がされていたと思います。
これらのアニメを作られた人たちの、伊藤さんへの強い思いが感じられました。
「癌と闘病しながら凄い小説を執筆」とか「夭折の作家」というプロフィールから
悲劇の天才作家というようなイメージを持たれるかもしれませんが
私にとっての伊藤さんのイメージは「究極のオタク」です。
ご自身も多少自虐的に「旧オタ」というような言い方をされていますが
なぜ伊藤さんが旧世代のオタクかというと
母校の学園祭で後輩に会った時のブログにこう書かれています
「いまの子達はアニメとエロゲと漫画しか見ない。
映画の話ができる人はたぶんいない」
伊藤さんもアニメもエロゲも漫画も好きですけど
同じくらい大量の本を読み、映画を観、音楽を聴き、美術展に足を運ぶ方で
そういう突き詰め方をしなくなった若い世代に対する危機感があったのだと思います。
卑しくもオタクを自認するなら、サブカルチャーの全てを網羅するくらいの
誰にも負けない知識量と見識を持つべきではないかという歯がゆさが感じられます。
それからさらに10年近い時が流れた今
子どもたちが、ヒマな時間のほとんどをネットやスマホのゲームに費やし
人生の中で、わりに自由な時間がある学生時代に
本を読むことも、映画を観ることも、音楽を聴くことも少なくなった現状には
本当に心配なものがあります。
少し前に、伊藤さんが敬愛された
ゲームクリエーターさんの小島秀夫さんのインタビューを読んだのですが
小島さんの読書量というのも、これまたはんぱじゃない。
中学生で安部公房を読んで衝撃を受けたという話を読んで
「とてもじゃないけど全然かなわないわ」と、私のほうが衝撃を受けました。
「ゲームが好きだから、ゲームクリエーターになりたい」というので
高い学費を払って、専門学校に行ったはいいが
結局挫折して、奨学金の借金だけが残ったみたいなニュースを見ました。
ゲームが好きだから、ゲームをいっぱいやったから
ゲーム業界で仕事ができるというような、甘いものではないと思います。
アニメが好きだから、漫画家とかアニメーターにというのも同じです。
先日福岡で開催された、岡崎京子さんの「戦場のガールズライフ」という個展を観て
改めて、岡崎京子という漫画家の軌跡をたどった時にも
私たちに、人生が変わるほどの衝撃を与えるものを生み出す人というのは
目には見えない、土台のところに蓄積されているものが半端ないということを
改めて認識しました。
アルコールにしろ、ギャンブルやネットにしろ
一つのものに過度に依存するのは「人生のすりおろし」だと聞いたことがあります。
長いようで案外短い人生を、無意味にすりおろして、ただ捨てていくのではなく
特に若い人たちには、いろんなものを見て、知って、考えて、経験して
その土台の上に、自分の人生や未来を構築してもらいたいと思います。
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