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命がある限り希望を持つということ

クラフト勉強会 アサーティブに伝えるとは

2016-05-02 16:55:15 | クラフト
クラフトのテキストにはこう書かれています。

「CRAFT(クラフト)のコミュニケーション法は
アサーティブネスの考え方を下敷きにしています」

アサーティブネスって何?ということでググッてみました。

「アサーティブ(Assertive)」の訳語は「自己主張すること」
しかし、アサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではなく
自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実に、率直に、対等に
表現することを意味する」と説明されていましたが
これではちょっと難しい。

自分の考え方や気持ちを「アサーティブ」に伝えるためには
「お互いの人権を尊重した上で、価値観の異なる人と向き合って
攻撃するのでも黙るのでもなく、粘り強く対話をしていくことが
大切なのです」と書かれていて、こちらのほうがすんなり理解できました。

コミュニケーションがうまくいかない2つのパターンを考えてみました。

一つは「自己主張だけをする人」です。(タイプA)
相手が何を考えているかをまったく考慮せずに
自分の思ったことや、言いたいことを一方的に話す人。
頭ごなしに命令や叱責をする人もこのタイプです。

もう一つは「回りの人の思惑ばかり気にして沈黙する人」です。(タイプB)
こちらは、自分の気持ちを的確に表現できる言葉を持っていない場合もありますが
周囲の反応をあれこれ考えて、自分が言いたいことや
本当は言わなければいけないことまで我慢してしまうような人です。

家庭であれ、学校であれ、職場であれ、タイプAやタイプBの人は
周囲とうまくコミュニケーションを取ることができず
タイプBの人が、タイプAの被害者になって、激しいストレスにさらされたり
タイプAの人が、集団の中で孤立したり、疎外されたりということにもなります。

ですから、アサーティブに伝える技術というのは
これを習得することで「つい部下を口やかましく怒ってしまい
部下に煙たがられている上司」も「上司や先輩に叱られるのが怖くて
自分の希望を何一つ言えない部下」も
うまくコミュニケーションを取ることができるようになるというものです。

この「アサーティブ」が、依存症の問題とどう関わってくるかというと
依存症者の家族は、イネイプリングをしているとか、共依存だとか指摘されて
それまでにやってきた行為(よかれと思ってしてきた尻拭いや監視
小言や叱責)などをやめるように言われます。

すると「イネイプリングをやめること=よけいなことを言わずに黙っていること」
となって「家族は本人に向けて語る言葉を失い、双方の距離が広がる」ことになります。
私は「イネイプリング」とか「共依存」といった心理分析の分野には
あまり深入りしたくないほうなので、そのあたりはよく分かりませんが
長年ダンナに対しては
「何が楽しくて、お金を捨てるだけのギャンブルなんか。馬鹿じゃねえの」と
心の中では軽蔑しきって、さじを投げていたことは事実で
ですから、コミュニケーションが完全に取れなくなっていました。

けれど依存症という病気は
そういう理屈でどうこうできるような病気ではないことが分かって
自分が、こうして学んだ技術を使って
コミュニケーションを変えることで、ダンナの何かが変わるのであれば
それはありかなと思えます。

そして、クラフトの学習会を続けてきて
漠然とですが、感じていることがあります。
それは、依存症の問題を抱える家族に向き合うためには
親子だとか夫婦だとかいう家族の関係や感情とは別に
回復を支える援助者という
第三者的な視点やアプローチが必要なのではないかということ。

「アサーティブ」のほうにあった

価値観の異なる人と向き合って
攻撃するのでも黙るのでもなく、粘り強く対話をしていくこと


多分それが全ての人間関係の基本なのだろうと思います。
そこが失われているからこそ、混沌として、争いが絶えないこの社会の中で
まあ、そんなものはただの理想論だよと言われてしまえば、それまでですが。

しかし、前にも書きましたが、本当に禅かなにかの修業みたいです。
同じ仏教なら、その源泉ともいえる
高村薫さんが「究極のニヒリズム」と表現された
釈尊の教え「全ては無であり、空である」というほうに魅力を感じます。


「人間も、人生も、つまるところは無であり、空であるがゆえに
物欲や色欲や、あらゆる欲望には意味がなく
そういう意味がない欲望に捉われることで人は苦しむんだよ。
もうここいらで悟っちゃえ」なんてダンナに講釈しても
どうなるものでもないことは分かっているので
クラフト勉強会、残り2回がんばります。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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粘り強く対話 (があこ)
2016-05-03 08:31:20
諦めました^^
最近、今頃になって気が付いたんですよ
うちの旦那は中二で止まっていると
工場の仕事を初めて4年、土曜も仕事なので
「俺には時間がない」が口癖になり
長期の休みのあとは「休んだきがしねぇ」と必ず言うので
今回のGWは、向こうがなにか提案してきても
口封じのため、「一人で行くくからいい」と言っています

中2なんで、それでもまた、なんか文句言うんでしょうね
返信する
さとり? (りょう)
2016-05-03 15:30:47
があこさん 大変な状況なのに
コメント残していただけて、本当にありがとうございます!

正直なところ、子供たちが家を出ることになって
ダンナと二人で暮すと考えただけでも
具合が悪くなりそうでした(笑)
ルナがいてくれたから、乗り切れたと思います。

とにかく子どもたちを自立させるまでは
それに全てのエネルギーを注いでいました。

いくらかでもダンナと向き合おうと思えたのは
告知を受けたことが大きかったかもしれません。
今は、夫婦という感じはあまりなくなったかも。
悟りの境地…かな?
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