~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

お味噌つくり

2016-02-15 15:35:32 | 日記

今日は昨日と打って変わって寒いというので、よっしゃ!

と、味噌を仕込むことにしました。

去年の倍の大豆を買ったので、いつもと同じように

考えていたら、あちゃ~甘かったという感じです。

初女先生は大豆を指で潰すというので、私も

頑張って指で潰していたのですが、量が増えたら

1キロぐらいのところでギブアップしてしまい

すり鉢を出して来ました、すり鉢の威力に

これを考えた人は凄い!お台所の産業革命だ

なんて思ったりして…

すりこ木で潰しても、結構大変で

やっぱり初女先生は只者でないと、つくづく思い

ました。

先生は「味噌つくりは簡単だから、お味噌ぐらいは

家で作るといいのにね」と、言ってましたが

いや~でも手間がかかります。

先生の本を見たら、大豆を煮るのに1日~2日

かかると書いてありました。

圧力鍋は使わなかったけれど、半日でも時間が

かかるな~と思ってしまいました。

現代人は、手間をかけるということが、本当に苦手に

なって来ているのかもしれません。

お料理番組も、第一に時短と言っています。

だいたい時短(じたん)って日本語があったので

しょうか?

人のためにするとは、自分の時間をどれほど

差し出せるかだと、昔先生が言っていた気が

します。

私たちが「時間がない」というのは、おしゃべりの

時間があるからだと先生は言われてましたよね。

お料理されている時、初女先生は殆ど話さず

全ての神経を集中して作られていました。

イスキアのお台所のピンと張った空気が

私は好きでした。

今回、大豆は全部指で潰さなかったけれど

仕込んだ瓶に「ありがと」と書いた紙と

初女先生のおむすびを結んでいる写真の

チラシを貼りました。

先生と「ありがとう」のパワーで美味しいお味噌に

なりますように…

来年の今頃、先生のご命日をお迎えする頃

このお味噌が、私に元気をくれるかもしれません。

 

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おむすび

2016-02-14 16:08:05 | 日記

昨日、イスキアのスタッフに電話をしたら「心に穴が

あいたようだよ」と言ってました。

やっぱり、そうか~と思いました。

先生は、一人ひとりの心の中に生きていると…

そのことは分っているのですが、今はポッカリあいた

穴に戸惑っている自分がいます。

先日お会いした方が、「一度、初女さんのおむすびを

食べたかったな~」と言われたのを聞いて、

そうか先生のおむすびは、もう食べられないんだと

あらためて思ったのですが、ランディさんが

「私でよければ、作ってあげるよ」と、言われ

あ~このパワーだよなと思いました。

鎌田實さんがブログに先生のことを書いていました。

青森県の岩木山の麓で「森のイスキア」を主宰していた
佐藤初女さんが2月1日に亡くなった。
94歳だった。
疲れた人、心に何か抱えた人たちが岩木山の麓を訪れる。
初女さんはおむすびを結ぶ。
そのおむすびを食べると、心がほどけ、問わず語りに思いを
語りだす。
初女さんはそれを静かに聞いてくれる。
ゆったりした時間が流れ、なぜか、多くの人が救われていく。
 
初女さんのおむすびをいただいたのは、8年ほど前。
丁寧にご飯を炊き上げ、空気をふくませるように握る。
真ん中には、自家製の梅干し。
おむすびは手で持っても崩れないけれど、口のなかで
やわらかくほどける。
おいしかった。
佐藤初女さんのご冥福をお祈りいたします。
 

鎌田先生のこの文章を読んでいたら、イスキアの

丸いちゃぶ台が思い出されました。

初女先生は「今は話したい人は沢山いるけれど

聴いてくれる人がいないの」と言われていました。

心で聴いて下さる初女先生を思い、私も少しでも

心で聴ける人になりたいと思っています…

口の中でやわらかくほどける

初女先生のおむすびは、人の心も

ほぐしてくれました…

いつの日か、そんなおむすびを結べるように

なりたいな~

 

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冬の後には春が来る

2016-02-13 11:57:39 | 日記

いきなり春が舞い降りてきたような暖かさです。

初女先生が旅立たれて2週間になろうとしています。

余りの時の流れの速さに、ひとり取り残されているような

気がします。

きっと、今を生きてないからでしょう。

初女先生が悲しんでいますね。

先生と出会って5年が経った時、「直さん、動き出し

なさい。」と言う、先生の内なる声が聴こえてきて

最初で最後と思い、息子の誕生日に講演会を

開催したのです。

一昨日、初女先生が夢に出て来ました。

どんな夢だったか覚えてないのですが、先生が

夢に出てきたことだけは覚えているのです。

先生が、いつまでもぼーっとしていてはいけませんと

言いにきてくれたのでしょうか…

去年の10月の北海道での初女先生との

最後の集いの時に、先生は何も話すことはありません

と、静かにおっしゃられました。

すべて話してきた、後はあなたたちの行動です!と

言うことなんだろうなと、私は思いました。

90歳を過ぎても、毎週のように飛行機に乗り

講演して回っていた先生。

自宅にいる時は、夜中まで仕事をしていた先生。

初女先生は何時に寝るんですか?と聞いたとき

「あんまり遅いから、恥ずかしくて…」と言っていた先生

働いて、働いて、働いて来た先生。

自分の為の時間は、ひとつもなくて…

そんな先生を見てきた私が、ぼーっとしていては

いけませんよね。

先生と出会ったことがなくても、本を読んで心に

留まったら、それが初女先生から贈られた

言葉になるのですね。

気がつけば梅がほころんでいます。

冬の後には春が来る

何ごともなかったように…

 

 

 

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初女先生とお味噌

2016-02-12 23:25:08 | 日記

頼んでおいた大豆と麹が届きました。

初女先生が亡くなってから作る味噌は、発酵するかな

と、そんな思いがよぎりました。

息子が亡くなった後に作った味噌が、悲しみのあまり

発酵しなかったからです。

初女先生に、そのことをお話した時先生は「味噌も

そうなんだね~。私が知っている人は葡萄酒が

発酵しなかったんだよ」と、そっと手を握って下さい

ました。

悲しみは、心だけの問題でなく全身から出て

いるのですね。

ここ2年、やっとそれなりの味の味噌が出来るように

なり、私の中から悲しみが抜けているのを実感

していました。

死が終わりではないことが、わかってきたので

私の手からは、悲しみでなく初女先生に対する

感謝の思いが出ていると思うのですが…

いつも仕込んだ味噌の瓶には、「ありがとう」と

書いた紙と初女先生が写っているチラシを

貼るのです。

大豆を指でつぶす、初女先生の丁寧な

味噌作りを思い描き、味噌を仕込んでみよう

 

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魂はあり続ける

2016-02-11 23:47:51 | 日記

2月の最初の日に、初女先生が亡くなり、何だか

2月が瞬くように過ぎて行きます。

今日は、中野のアール・ブリュットフォーラムへ

行って来ました。

田口ランディさんのお話もあるし、私も障害者の人と

「書」をやったりしているので…

ランディさんに、ちょこっとでもお会い出来たらと思い

初女先生の好物の塩昆布を持って行きました。

前半が作家の夢枕獏さんと作曲家の松下功さんの

トークで、後半がランディさん講演でした。

どちらも、ものすごく興味深いお話でした。

ランディさんは、「魂が生まれるところ」という

テーマを頂いたけれど、魂は生まれたり死んだり

しない、あり続けているというお話から始まり

ました。

1時間という中には納まりきれない内容で

もっと、もっと聞いていたかったです。

終って、ランディさんに塩昆布を渡して帰ろうと

すると、これからポエタロの仲間と会うから一緒に

来ない?と誘われランディさんとの時間が突然

与えられたのです。

電車の中でずっと初女先生のことを話し、

ランディさんに伝えたかったことを、聞いてもらい

何だか初女先生が用意して下さったような時間

でした。

幸せな時間は、こんなふうに不意に与えられるもの

なんですね。

その後にお会いした、ランディさんのお仲間が又

素敵な方達でした。

ポエムとタロットカードを合わせたポエタロというのを

作ろうとしている方達で、私はタロットカードは

興味がなかったけれど、こんな素敵な人達が

作りたいって思っているものって、きっと

いい物に違いないと思えました。

何と言っても、その出版社の社長が今どき

こういう経営者がいるんだと思うくらい、

いい人なんです。

ポエタロの詩を書いた、作詞家の覚さんが

(千と千尋の神かくしの作詞家)5人の為に

歌ってくれたのです。

そこでも、初女先生の話が出て、ランディさんの

言われた「魂は生まれたり死んだりしない、

あり続けている」ということを、これから私は

もっと確かに感じていくんだろうなと思いました。

初女先生からのプレゼントのような素敵な1日でした。

有難うございます、初女先生!

  ポエタロhttps://greenfunding.jp/miraimakers/projects/1337-

 

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初女先生の椅子

2016-02-09 22:16:48 | 日記

初女先生のまわりをお花で飾り、出棺を待っている間

k子さんが、お台所の一つの椅子を指差し

「先生は座っていた椅子よ。直さん座ってみたら」と

言って下さったので、私は初女先生が食事の度に

座っていた椅子に、そっと腰掛ました。

その時、k子さんが「食器棚の中に芳信さんの

写真があるでしょう」と言うのです。

目を凝らしてみると、沢山の茶碗間から微笑む芳信さん

のお顔が見えました。

いつだったか初女先生が「朝、芳信のところに行く

時間もないの」と、言われたことがありました。

私は、祭壇まで行けず息子の芳信さんに手を

合わすことも出来ないんだなーと受け取りました。

確かその時、食器棚に写真を入れているとお聞きした

と、思います。

私は、先生の椅子に座りながら、先生はこんなふうに

芳信さんを見て、心の中で手を合わせていたんだなと

思いました。

茶碗の陰から、遠慮するように芳信さんはこちらを

見ていました。

先生のお家の台所は、「お勝手」という言い方の

方が似合うような台所です。

去年の1月22日、先生が糠漬けを教えて下さると

言われ、きゅうりの皮のいぼいぼを、包丁で剥いた時

先生の手が震えていました。

その震える手を見た時、私もランディさんも先生の

いのちの炎が、あと僅かのような気がして

何ともいえない不安に包まれました。

ランディさんは、それから1年先にはしておけない

と言って、凄い勢いで「いのちのエール」を

書き上げました。

でも、8月にイスキアでお目にかかった時も

10月の北海道でお会いした時も、あのお勝手で

感じた不安はなく、これからのイスキアに向かって

行動しようとしている先生の情熱に、私の心は

熱くなりました。

暖かくなったら先生の体力は回復して、

新しいかたちの森のイスキアが始まると信じて

いました。

最後の最後まで希望を胸に歩き続けていた

初女先生でした。

1年がこんなにあっという間だったとは…

でも、先生にとっては、少しもあっという間ではなく

時は刻まれていたのでしょうね。

淋しがってはいけないけれど、やっぱり淋しいです。

悲しがってはいけないけれど、やっぱり涙がでます。

色んなことは分っているのに…

息子のことで涙していると、「何年経っても涙がでるよね」

と、言って下さった初女先生

新しい一歩を歩き出すためにも、溢れる涙は

ぬぐいません。

私の中の初女先生に語りかけられる

その日まで、あと少し時間を下さい。

 

 

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ピアフの大竹しのぶさん

2016-02-08 23:31:17 | 日記

私が何気なく「大竹しのぶのピアフが観たいな~」と

言ったら、息子が誕生プレゼントにチケットを用意して

くれました。

今日は「ピアフ」を観に行って来ました。

先週の月曜に初女先生の訃報を聞き、1週間が

経ったのですね。

早いのか遅いのかもわかりません。

亡くなったという現実感も、薄くなっていく気が

しますが、ふいに溢れる涙が私を

現実に引き戻します。

そんな中で「ピアフ」を観に行きました。

大竹しのぶさんも、イスキアを訪ねて来られた方です。

大竹さんもクリスチャンだそうですが、忙しくて

なかなか教会に行けないそうで

初女先生の「動の祈り」に救われたという方です。

先生のご葬儀に駆け付けたかったのでは

ないでしょうか…

大竹さんの「ピアフ」は素晴らしかったです。

最近、軽い芝居が多くなってきていますが

今日は演劇のチカラを感じました。

カーテンコールで「ブラボー」なんて言えないから

ずっと拍手をしていました。

お隣の席の大きな男性が、演出家の栗山民也氏と

知り、びっくりポンでした。

アンケートの最後に、「大竹さん 、佐藤初女先生は

神々しいお顔で召されました」と、書きました。

あれから、本当に1週間が経ったのですね。

1週間が…

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初女先生のお声が…

2016-02-07 23:21:33 | 日記

今日は、亡くなった息子の誕生日でした。

真っ青な空を見を見ていたら、

息子の誕生日に初女先生の講演会をやりたいと

思って、「佐藤初女さんと結ぶ心のおむすび」

(2009年2月7日逗子の文化プラザ)開催した

あの日の空の青さと同じだと思えました。

これが、最初で最後と思っってやった講演会が6年も

続くなんて…

あの時、初女先生が「一人の女性の情熱が

周りを動かす」と言われたのです。

聴いていた方達は、初女先生ご自信のことと

受け取っていたのですが、感想を読まれた先生が

「あれは直さんのことだったのに」と、ちょっと

残念そうに言われたのを、今突然思い出しました。

忘れていた思い出が、こんなふうに立ち上がって

来ると、何だかそれだけで初女先生出会っている

ような気がします。

先生の姿かたちはないけれど、存在は確かに

揺るぎのないものとして私の中にあります。

先生が亡くなった日、私はkさんの元に飛んで

行きました。

その時、Kさんに言われた言葉は

「直さん、間に合ったね」でした。

2年早く初女先生が亡くなっていたら、私は

立ち上がれなかったろうと…

本当にそうです。

あの「深き森の語らい」(田口ランディさんと

初女先生との対談)で、私はやっと自分の足で

立つことが出来たのです。

初女先生にお会いする度に泣いていた

どうしようもなく弱い私がです…

今、悲しいけれど淋しいけれど、心の中の

初女先生に呼びかければ、声が聴こえて

来ます。

「大丈夫、大丈夫だよ」という

初女先生のお声が…

先生を求める人の心に、初女先生の「大丈夫」が

静かに降りて来るはずです。

「大丈夫、丁寧に生きていれば大丈夫」と…

 

 

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雪が舞いました

2016-02-05 18:15:39 | 日記

昨夜、弘前から帰って来ました。

初女先生の地域は、荼毘に付した後で、お通夜と

葬儀を行うというので、一目お会い出来たらと飛んで

行きました。

お会いした初女先生は、余りにも美しく、

亡くなった方には思えず、私たちは息を呑み

驚きのあまり最初、涙も出ませんでした。

行く前は、人が沢山いるだろうから、会えないかも

知れないと思って行ったのに、何か用意されていた

時間のように、初女先生と私たち4人だけの時間が

与えられたのです。

奇跡と思える時間とそこで起こったことが

全て初女先生からのギフトのように思えました。

まだ言葉にすることは出来ないし、言葉にすべき

ものではないかもしれません…

翌日の出棺の時、突然大きな雪が舞ったのです。

そして、初女先生を乗せた車が見えなくなると

雪は止んでいました。

あ~初女先生の雪だったんだと、思いました。

悲しいけれど、淋しいけれど先生から頂いた

ギフトがあれば、大丈夫と思えました。

また新しい一歩の始まりです。

「直さんは大丈夫ですか?」というメールやお手紙を

頂きました。

皆さんが、悲しみの中で私のことを心に掛けて

下さっている、そのことに支えられています。

本当に有難うございます。

大丈夫だと思います。

目を閉じれば、神々しい初女先生のお顔を

心に浮かびます。

うん、大丈夫…

きっと大丈夫…

歩いていける…

 

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生きろ、生きろ

2016-02-02 19:13:33 | 日記

昨日は、本当にながい一日でした。

朝一番で、初女先生が亡くなられたと連絡を受けて…

今日の空は、昨日の曇天と打って変わっての青空

私が自転車を漕いでいると、空から「生きろ、生きろ」

という声が、降りそそいできたのです。

確かに聴こえて来たのです。

その声を聴き、力いっぱいペタルを漕いでいたら

ふいに、生きることの究極の目的は、生き抜くこと

だと思えたのです。

何となく生きるのではない、生き抜くのだと…

94年の人生を生き抜いた初女先生

先生のあのぺったんこの足の裏が目に浮かび

ます。

歩いて、歩いて来たあの足の裏が…

先生、私生きていくよ。

「生きろ、生きろ」が青空にこだまする。

私の心にこだまする

今、この時を生きるよ

初女先生みたいに丁寧に…

先生、ありがとう

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