ふと、初女さんの言っていた
「私、倹しいのよ」という
言葉が思い出されました。
倹しい(つましい)を調べると
質素で贅沢をしない様子
倹約することとあります。
今は殆んど使われなく
なった言葉かもしれません。
倹しいのと言っていた
初女さんの日々の暮らしは
とても豊かに感じられ
ました。
初女さんと居ると、時が
ゆっくり刻まれるようで
イスキアを訪れる度に、
あ~1日は24時間で充分だ
と思っていました。
スープを作る時も、ミキサー
は使わず、すり鉢で滑かに
するのです。
そうすると野菜の甘味が
出てミキサーでは出せない
味わいになっていました。
くるみの薄皮も楊枝で
剥がしていました。
初女さんの手は、いつも
動いていたな~
『心をかけることは
手を掛けること。
手を掛けることは
時間を掛けること。』と
言われて、楽をするという
考えは、初女さんの中に
なかったのではないかしら
『美味しいが心の扉を
ひらくの』と、どこまでも
丁寧に作られていました。
初女さんと一緒に居ると
深く豊かな時の中に
居るようで、それだけで
満たされていました。
初女さんと一緒に居ると、
一度きりのこの人生を
もっと丁寧に生きなきゃと、
思いました。
私達は豊かさと便利さを
求めてきましたが、
本当の豊かさを知らないの
かもしれません。
昨日、おむすび講習会で
丁寧に作ったおむすびを
食べ、おむすびだけで
皆が満たされていました。
こういう豊かさが心も
豊かにしてくれるって
ことを忘れているのかも…
明日もおむすびを結ぼう。