頼んでおいた大豆と麹が届きました。
初女先生が亡くなってから作る味噌は、発酵するかな
と、そんな思いがよぎりました。
息子が亡くなった後に作った味噌が、悲しみのあまり
発酵しなかったからです。
初女先生に、そのことをお話した時先生は「味噌も
そうなんだね~。私が知っている人は葡萄酒が
発酵しなかったんだよ」と、そっと手を握って下さい
ました。
悲しみは、心だけの問題でなく全身から出て
いるのですね。
ここ2年、やっとそれなりの味の味噌が出来るように
なり、私の中から悲しみが抜けているのを実感
していました。
死が終わりではないことが、わかってきたので
私の手からは、悲しみでなく初女先生に対する
感謝の思いが出ていると思うのですが…
いつも仕込んだ味噌の瓶には、「ありがとう」と
書いた紙と初女先生が写っているチラシを
貼るのです。
大豆を指でつぶす、初女先生の丁寧な
味噌作りを思い描き、味噌を仕込んでみよう