いつかどこかで目にした『すべてはうまくいっている』
そんなわけない、しらじらしい言葉だな、とぼくのおかあさんはその時は(多分、それほど昔ではなく)感じたのでした。
世の中、思いどおりにならないことばかり、いつも不平不満たらたら。疑うことだって多い。ホテルの食品偽装だって、日展の入選の割り振りだって、漠然とそんなものと思っているような。。
ところが最近、この『すべてはうまくいっている』がときどき、ふっと頭の中をよぎるようになったのです。
魔法の呪文のように。
どこで読んだのかな、とアマゾンで探してみたら、そのような本の題名もありますし、瞑想などというのもあります。
が、しかし、この言葉はことさら特殊なものでもなくごく普通の言葉ですから、どこかの本の中に、今のおかあさんと同様のことを感じた著者が書いていただけだったような気もします。
これって、神さまか仏さまか知らないけど、どなたかがくださったおかあさんへのプレゼントの言葉じゃないかとぼくは思ったりするのですが。
いえいえ、そんなたいそうなものじゃなく、トイレに座ったときとか、玄関で靴を履くときとか、郵便受けから新聞を取り出すときとか、なんでもないときにふっと湧いてくる不思議さ。
と、ここまでブログを書いていてピンポーン~
「あのね、奥さん、これから新聞のサービスができなくなるのでダイソンの掃除機とか電動自転車とか・・・・・・・・」
おかあさんは思い出しました。昨日、ぼくとお散歩しているとき、ご近所をまわっているぺらぺらのズボンをはいた貧相な男の人を。
「あのね、奥さん・・・」ぼくは奥さんが出たのか、娘さんなのかわかるのかしらと思っていると、お隣では「あのね、ご主人・・・」と話しかけていました。
あのぺらぺらのイメージがすぐにでてきて(ぼくんちはテレビインターフォンじゃない)「お宅どちらさま?」と長々としゃべり続ける男性に向かっておかあさんはキッと言いました。
そして新聞名をきくと「けっこうです」とがちゃりときりました。
それでいいのですけれど、なあんか、、、
『すべてはうまくいっている』というタイトルの久しぶりの日記、もうすこしうまく続けたかったのですが、高尚な雰囲気が途切れてしまいました。