ももすけの日記

黙祷して平和を願ふ終戦忌
ああ面白かったと言って死ねたらいいな

それから

2015年06月23日 14時43分23秒 | ひとりごと

毎朝、新聞の小説を音読するのがたのしみです。「天声人語」 「それから」 「春に散る」 の順に朗読の練習です。

『それから』の代助の名前は忘れてしまっていたのですが、美千代は覚えていました。

そして、そうだ、こういう理屈っぽいぐだぐだした文章が好きなんだ、とあらためて思っています。

 

>人間はある目的を以て、生まれたものではなかった。これと反対に、生まれた人間に、始めてある目的が出来て来るのであった。最初から客観的にある目的を拵えて、それを人間に附着するのは、その人間の自由な活動を、既に生れる時に奪ったと同じ事になる。だから人間の目的は、生れた本人が、本人自身に作ったものでなければならない。けれども、如何な本人でも、これを随意に作る事は出来ない。自己存在の目的は、自己存在の経過が、既にこれを天下に向かって発表したと同様だからである。

 

そうだそうだ、と思いつつも、頭の中を素通りしていって、あとは何も残っていません。

今、起こった新しいことや、今、会ったばかりの人や物の名前がいっこうに脳に記憶されずに通り過ぎてしまうのです。虫になってしまった、あの小説の結末はどうだったのか、今は忘れてしまっています。

 

そう、虫。おかあさんは生れてはじめて虫を手でつかみました  こんな可愛いお嬢ちゃんも 

係の方から蝶々をつかませてもらって、みんなの用意ができるまで、蝶々は「早く放して~」とじたばたしていました。あの指の感触は忘れません。しばらくしておとなしくなりました。はっい、放蝶してください、と言われたとき、飛べないでばたんと地面に落っこちたらどうしようと心配でしたが、無事、飛んで行ってくれました。

http://www.asuka-park.go.jp/event/detail.php?id=289

その会場で出会って、すぐにお友だちになれたキュートな彼女に、(運命の出会いのようなものを感じた)おかあさんはとっておきの写真を見せました。カメラを3つも持って、つねに虫目線、写真歴25年というベテランさんに、です。

 虫を手で触れないけど写真は撮ったよ。かわいいでしょう、と。   なんとか言う蛾の幼虫ですって。ほら、もう蛾の名前忘れています。でも、これをかわいいと言えるのなら、もう立派な虫仲間よ、って言ってもらえました。

 

お口直し、いえ、お目直しに、オオゴマダラ。日本の蝶々のなかでは一番大きい種類だそうです。

 

 


なんとなく愉快な話

2015年06月20日 17時47分00秒 | ひとりごと

今年はいつもより早い梅雨入りでした。

雨をためて庭の水撒きに利用するという装置があるというのをきいたことがありました。

水道代って高いし、エコとしてもいいかも、なんて思っていたら先日、新聞の折り込み広告に載っていたのです。

”庭の草花や家庭菜園への水やりに、水道水を使わずに雨どいから集めた雨水を利用すれば、水道料金・下水道料金の節約になります。また、各家庭への雨水貯留タンクの設置がすすめば、節水だけではなく集中豪雨などの際の雨水流出抑制にも寄与します”

早速、チラシのお店に電話しました。担当の者が出ているので折り返しお電話しますとのこと。しばらくして、かかってきました。

「雨音くん、のことですね?あれ、ただのポリタンクなんですけど200ℓだと6万円もするのですよ。」

(ん? なんだか売りたくないような気配・・・)

「こちらの市ですと、何リューべで何10円ですから」

元を取るのは、まあ、どっちでもいいんだけど(・・・その単位がよくわからないし)

「ポリタンクに栓がついていて、そこからバケツやジョーロに入れるのですが」

わかっていたけど、そう言われてみると、なるほど、手間ねぇ・・・

「盆栽やお花をたくさん植えられていると、いいのですが」

水道でザーっと撒くのも時間かかるなぁと面倒がっている身、だんだん引けてきました。

あんまり売りたくないようね?

「ええ、まあ。買ってもらっても後悔されると困りますので。どうしても、ということでしたら、今晩一晩考えてから、またお電話くださいますか」

あっは、わかりました。良心的なお店ですね。次にリフォームか何かのときは、おたくにお願いします~!

ほんと、買わなくて良かったです。夏場に、いちいちジョーロというのは想像しただけでたいへんですし、場所もとります。

          

ぼくがいなくなってから、おかあさんは気の向いたとき一人でおさんぽしています。

近くの神社を通った時、神社の玉垣に名前が彫ってあるのに気が付きました。見覚えのある名前、お友だちの旦那さんの名前でした。1年ほど前に亡くなられています。

氏神さんに寄進するのも悪くはない、こんな風に名前が残るっていいな、と思って通り過ぎました。

と、数日後、町会の会報などと一緒にその神社の会報(会報でいいのかどうか?)が配られていて、その中に”第3次玉垣募集”とありました。

早速、おかあさんは電話をいれました。

神社のお世話の方が申込書を持ってきてくれ、位置は抽選で決めますので、また改めてきます、とのことでした。

ポリタンクよりお値段高いけど、場所もとらないし、いいでしょ、とおとうさんには事後承諾。

おとうさんの実家の氏神さんは東大寺境内にある由緒正しき手向山八幡宮、おにいちゃんもおねいちゃんもお宮参りをしました。

でも、そんな古い神社では新しく玉垣募集なんてないでしょうから、この新興住宅地にある神社さんの玉垣をゲットできるなんてラッキーです。


募集締め切りが過ぎて、夕方、お世話の方が来てくれました。   

「午前中に来たのですがお留守だったので、あと、二つしか残っていませんが、いい場所の方が当たればいいですね」と。

今回は15くらいの募集だったようで、3番と11番だったかが残っているということでした。

抽選はなんと神社のおみくじ箱を持参してこられました。さすが!

いい方が当たるといいですね、とお世話のおじさん。

やったー、3番でした。入口から3番目ですから、良く目立つ所で良かったです。

お世話係のおじさんは最後の方には残り福ですね、とかおっしゃるのでしょうかね。


7月にご祈祷式があって、いよいよだそうです。

おかあさんはおとうさんが死んで後、神社にお参りする時どきどきするかなあ、なんて想像していますが、自分の方が先に死ぬかもしれないのにね。

でも、なんか、わくわく、というか愉快な気分になってくるのです。