今朝、起きて、部屋のガラス戸を開けたら、
ヒヤッとした冷気が入ってきた。
湿っているようだ。
ベランダから、道や教会や
アパートの風景が目に入ってくる。
風景に落ちた雨から雨の匂いが
香ってきた。
空はどんより曇っている。
雨が降っている。
耳をすます。
雨の音。あまおと。
あまおとといっても、雨じたいに降る音ってあるのかしら。
樋から枡に流れ落ちる音。
見えないけど、どこからか、濡れた道をはしる車のしぶきを
あげる音が聞こえる。
遠くから、聞こえる雨の日の音。
見えない家々の屋根に雨があたる音。
子どものころは、家々が建て込んでいて、
屋根の雨音がいっそう、子ども心に雨の日の寂しさを
ふるわせていたのかなあ。
しんしんと耳鳴り。
妻が言う。
「戸を開けていると、布団が湿気るんだけど・・・」
「・・・・・」
雨模様の朝。