今日も世間のライダーから完全に忘れ去られた「悲しいオートバイ」をご紹介します。(笑)
それは、今から30年以上前の1988年に登場したホンダ「ブロス650」です。
全く同じタイミングで登場した400ccモデルの兄貴分として発売されたオートバイだったのですが、
国内では全然売れずわずかに2年、結局1990年には生産中止となり、二世代目となる後継者も登場する事なく、
誰にも知られず消え去さると言う悲しい結末を迎えています。(笑)
逆に弟分の400ccモデルはそこそこ売れてて、当時のネイキッドバイクの1つとして、まあまあ人気を獲得してました。
結局、この手の悲しい「大型ミドル系」のオートバイを言い始めると他もたくさんの同類があるのですが、
統一して売れなかった理由は、当時の世情的に、いわゆる「ただ中途半端な排気量」であったことと、
大型バイクに乗るためには、限定解除を取得すると言う問題がより残念感を醸し出したって感じです。(笑)
簡単に大型バイクの免許が取得できるようになった今と違い、やっぱり免許の垣根って大きかったんですね。
で、この「ブロス650」ですがエンジンは同じ時期に登場した「スティード600」と共通で、
トルクを増すために、あえて50cc排気量アップさせたものでした。
多分ネイキッドスポーツと言えば、今も昔も「並列4気筒エンジン」が人気ですが、
この「ブロス650」に与えられた新開発の「52度-V型2気筒」は当時のホンダが渾身の思いで開発したもので、
振動の低減、低速トルクの太さ、加速力と他を凌ぐ素晴らしいものだったりします。
と言うことは、結構「ブロス650」って素性は良いバイクだって事なんですよね。
でも、他の要因が大きくのし掛かり、結局は全然売れず不人気車となってしまいます。
一応スペックをご紹介しますが、エンジンが水冷式V型2気筒SOHCの3バルブで排気量が650cc。
最高出力は61psで最大トルクが5.7kg。
ガソリンタンク容量は12リットルで市街地での平均燃費が約36km。
計算すると、一回の満タン給油で走れる航続距離が大体432kmなので片道が約216kmと言う計算になります。
結構良いですよね。
また最大の特徴としてはリアのスイングアームが片持ち式となっており、
同時期の「VFR400」と共通の足回りとなっています。
さらに車体構造は400ccと共通で車重も180kgと大型バイクの割には軽い仕様になっています。
で、結果として2年で生産中止となった訳ですが、その間に数々のマイナーチェンジが施されています。
車体の型式で言うと初期モデルの「J型」から始まり、5世代目の「L II型」で最終となっています。
短期間で多くの改良がなされていたんですよね。
中古市場見ても残念ながらほとんど売られていません。
売れなかった分、球数も少ないって事の様です。
今なら、人気のジャンル大型ミドルの一員として乗ると言う選択もアリな気がしますけどね!(笑)