大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

マイナリさん無罪確定ー東電OL殺人事件

2012-11-08 06:15:56 | インポート
東電OL殺人事件の再審でマイナリさんの無罪が確定することになりました。

無罪の確定に伴って弁護団は捜査と裁判の検証を求めていますが、捜査当局・司法当局に「検証」への意欲はないようです。その理由は「捜査・公判に特段の問題はなかった」からだそうです。精度の低かったDNA鑑定を過大評価して嘘の自白をさせた足利事件や、検事が証拠改竄した郵便不正事件では、検証すべきものがあったけれど、東電OL事件では、「明らかなミス」がないので検証の必要はない、という考え方なのだそうです。

「明らかなミス」がなくても結論が間違えてしまうことがあるのだとすれば、それこそ「検証」が必要だ、と考えるのが常識的な考え方であるように思えます。これは、「人の命」のかかった刑事手続きではなく、私たちの仕事や日常的なことがらでもあたりまえに考えられてしかるべきことのように思います。

この事件の場合、特に深刻な「検証」を必要としているのは、東京高裁・裁判所でしょう。一審の無罪判決を、新たな証拠もほとんどなしに「心証」で覆した東京高裁、それを追認した最高裁は、深刻な「検証」を行うべきだと思います。

「政治」への信用が失われる中、せめて「司法」はまともであってもらいたい、と思うのが国民の心情なのだと思います。是非、その期待に応える対応がなされることを期待します。

・・・と言いつつ、アメリカ大統領選挙の日に、この再審の判決の日を設定した、ということ自体の中に、その期待の虚しさも感じ、考えてしまう・・・・のは、ひねくれすぎかな。