NHKテレビのコント番組で「ライフ」という番組があります。内村光良らのコントには秀逸と思わされるものが多く、楽しみにみています。
その中で、見るたびにイラつくコントがあります(笑いながら、ですが)。「嘘太郎(?)」というコントです。星野源の演じる寿司屋の見習い「嘘太郎」が嘘つきで、ひどい嘘をつくのだけれど、内村の演じる親方がそれを結局は許してしまう、ということが、さまざまなバリエーションで演じられます。
先週のでは、折詰を買った客(田中直樹)が怒って怒鳴り込んできます。本来10貫くらいは入っているはずの折詰がスカスカで5貫くらいしか入っていないのです。「これはどうなってるの!?」と怒る客に対して嘘つき見習いは、「そんなもんですよ」と平然と対応します。そこに親方がでてきて、どうしたのか尋ねます。客が説明をして折詰を見せると、親方は「てめぇ、また嘘つきやがったな!」と怒ります。嘘つき見習いは、へらへら笑いながら「すいやせん。もうしません」と一応謝りはするのですが、それだけです。親方は、客に謝りながら、「不足分をすぐにつくります」、と言って見習いに寿司を握らせようとします。「こいつは、嘘つきだけど、腕はピカイチなんです」というと、見習いも「腕はピカイチなんです」とへらへらしています。でも結局握れず、「腕はいいんじゃないのか?」と詰問すると、また「すいやせん、また嘘つきやした」と同じような対応です。親方はまた同じように怒るのですが、結局はうやむやに許してしまって、おしまい、というものです。
ついつい笑ってしまうのですが、やっぱりイラつく。
ここまでひどい話というのは実際にはないのだと思ったのですが、似たような話が実際にあるんだな、と言うことを思わされました。
今回の、「消費税再値上げ延期」が、その「よく似た話」です。
2014年11月18日の総理大臣記者会見での安倍首相の発言です。http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html
こういうふうに言っておきながら、「景気判断」によって「絶対にない」と言っていたことをしてしまう、というのではその言葉のあまりの軽さに呆れざるを得ません。寿司が半分しか入っていないこと(アベノミクスの成果が上がっていないこと)について「そんなもんですよ」で済ませてしまい、どうしようもなくなると「すいやせん、嘘つきました」と口では言いながらへらへらしている(「国民の信を問う」こともしない)、というのは、瓜二つと言ってもいいほどのものです。(もっとも嘘太郎の方は他人のせいにはしないのに、安部首相は「世界経済」のせいにする、というところは違いますが・・・。)
また、その嘘に怒りながらも、結局は許してしまう親方(国民)にも問題がある、と言うべきなのでしょう。
「政治」がこんなことをしていたら、国際的にも国内的にも信頼を失い、とんでもないことになってしまいます。このような「先延ばし」によって、わが業界にもしばらくの「安定」がもたらされる、ということなのかもしれませんが、そこに安住していたのでは、本当にとんでもないことになってしまう、という不安の方が大きくなるようなことです。
その中で、見るたびにイラつくコントがあります(笑いながら、ですが)。「嘘太郎(?)」というコントです。星野源の演じる寿司屋の見習い「嘘太郎」が嘘つきで、ひどい嘘をつくのだけれど、内村の演じる親方がそれを結局は許してしまう、ということが、さまざまなバリエーションで演じられます。
先週のでは、折詰を買った客(田中直樹)が怒って怒鳴り込んできます。本来10貫くらいは入っているはずの折詰がスカスカで5貫くらいしか入っていないのです。「これはどうなってるの!?」と怒る客に対して嘘つき見習いは、「そんなもんですよ」と平然と対応します。そこに親方がでてきて、どうしたのか尋ねます。客が説明をして折詰を見せると、親方は「てめぇ、また嘘つきやがったな!」と怒ります。嘘つき見習いは、へらへら笑いながら「すいやせん。もうしません」と一応謝りはするのですが、それだけです。親方は、客に謝りながら、「不足分をすぐにつくります」、と言って見習いに寿司を握らせようとします。「こいつは、嘘つきだけど、腕はピカイチなんです」というと、見習いも「腕はピカイチなんです」とへらへらしています。でも結局握れず、「腕はいいんじゃないのか?」と詰問すると、また「すいやせん、また嘘つきやした」と同じような対応です。親方はまた同じように怒るのですが、結局はうやむやに許してしまって、おしまい、というものです。
ついつい笑ってしまうのですが、やっぱりイラつく。
ここまでひどい話というのは実際にはないのだと思ったのですが、似たような話が実際にあるんだな、と言うことを思わされました。
今回の、「消費税再値上げ延期」が、その「よく似た話」です。
「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています」。(下記首相官邸動画の6分30秒~
「消費税の引き上げを18カ月延期すべきであるということ、そして平成29年(2017年)4月には確実に10%へ消費税を引き上げるということについて、そして、私たちが進めてきた経済政策、成長戦略をさらに前に進めていくべきかどうかについて、国民の皆様の判断を仰ぎたいと思います」同9分30秒~
「消費税の引き上げを18カ月延期すべきであるということ、そして平成29年(2017年)4月には確実に10%へ消費税を引き上げるということについて、そして、私たちが進めてきた経済政策、成長戦略をさらに前に進めていくべきかどうかについて、国民の皆様の判断を仰ぎたいと思います」同9分30秒~
2014年11月18日の総理大臣記者会見での安倍首相の発言です。http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html
こういうふうに言っておきながら、「景気判断」によって「絶対にない」と言っていたことをしてしまう、というのではその言葉のあまりの軽さに呆れざるを得ません。寿司が半分しか入っていないこと(アベノミクスの成果が上がっていないこと)について「そんなもんですよ」で済ませてしまい、どうしようもなくなると「すいやせん、嘘つきました」と口では言いながらへらへらしている(「国民の信を問う」こともしない)、というのは、瓜二つと言ってもいいほどのものです。(もっとも嘘太郎の方は他人のせいにはしないのに、安部首相は「世界経済」のせいにする、というところは違いますが・・・。)
また、その嘘に怒りながらも、結局は許してしまう親方(国民)にも問題がある、と言うべきなのでしょう。
「政治」がこんなことをしていたら、国際的にも国内的にも信頼を失い、とんでもないことになってしまいます。このような「先延ばし」によって、わが業界にもしばらくの「安定」がもたらされる、ということなのかもしれませんが、そこに安住していたのでは、本当にとんでもないことになってしまう、という不安の方が大きくなるようなことです。