大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

映画を観ました―「鑑定士と顔のない依頼人」

2014-01-05 08:05:56 | 映画

正月に映画を観ました。 私は、「映画」というものをあまり面白いと思わない人間なのですが、この映画は良かったと思えるものでした。

まずは、映画の公式ホームページから、内容の紹介部分を引用します。

ヴァージルを演じるのは、『シャイン』でアカデミー賞に輝き、『英国王のスピーチ』でも同賞にノミネートされたジェフリー・ラッシュ。 美術品の真贋を瞬時に察知する才能と、鮮やかなオークショニアリングの手腕によって、美術業界ではカリスマ的存在でありながら、私生活では人間嫌いで、芸術品しか愛することが出来ない。そんな心のない男が一転、謎の依頼人に翻弄され惹かれていく姿を、哀愁を込めて見事に演じ切った。 屋敷の隠し部屋から出ようとしない、秘密を抱えた依頼人には、ヨーロッパの映画やTVシリーズで人気を誇るシルヴィア・ホークス。透き通るような白い肌と神秘的な眼差しが、ミステリーに官能を添える。その他、どんなものでも復元できる特殊技能を持つが、女性にはだらしのない男に、『クラウド・アトラス』で注目されたジム・スタージェス。 ヴァージルとパートナーを組んで、オークションに罠を仕掛ける画家に、『ハンガー・ゲーム』のベテラン俳優ドナルド・サザーランド。国際色豊かな演技派たちが、何層にも重なる謎に、真実味を与える演技を披露する。スタッフには、撮影、美術、衣装、編集とトルナトーレが信頼をおく顔ぶれが集まり、ため息の出るような骨董品や名画の数々を存分に見せてくれる。 鮮やかに騙されて楽しいのが、極上のミステリー。だが、この物語には、まだその先がある。美しくも切ない人生のミステリーが──。

私自身もそうだったのですが、映画を観ていて、終盤に至るまでの流れがうまい具合に展開して行くので、「ヒューマン映画」「恋愛映画」であるように感じてしまいがちなのですが、引用した紹介文にあるように、「極上のミステリー」として観るべきものです。その緊張感をもって観て、さまざまなディテールに注意を払っていると、面白さがひとしおなのだと思います。

そして、さらにその先に、「美しくも切ない人生のミステリー」を考えると、前半の感じ方もあながち間違いではない、と思わされもします。しかも、自分自身とは縁のない別世界の話のように思えていたことが身近に感じられもして、さまざまな方向に思いが巡らされます。

そんなことを考えさせてくれる映画だからなのでしょう。この映画には「結末を知ったらもう一度」ということでの「リピーター割引」が用意されています。確かに結末を知った上でもう一度観てみたい、と思わされるものでした。映画でなければ表現できないものを表現したもののように思えて、お薦めの映画です。