今日の午後2時、スマホがブルっと鳴るので何かと思ってみてみると、「山口達也会見、AbemaTVで中継」とのことだったので、つい見てしまいました。われながら馬鹿だね。
「会見」は、冒頭のジャニーズ事務所顧問弁護士の説明も、本人の「挨拶」も、何故か周囲に記者たちが群がってする質問も、どれもこれもが低劣なもので、見るに堪えるものではありませんでした(これがジャニーズ事務所の「危機管理」というものなのでしょう)。馬鹿だね・・・。私が・・・。
ところで、この事件の報道で気になったのが、「山口達也」氏に関する呼称です。例えば、朝日新聞では、「人気アイドルグループ「TOKIO」の山口達也メンバー(46)」と呼んでいます。NHKも同じです。
「山口達也メンバー」って、とってもおかしな呼び方なので気になってしまいます。
「強制わいせつの疑いで書類送検」されたわけですから、「容疑者」でもよさそうなものなのに、何故?と思って調べてみると、次のようなことでした。
要するに「逮捕」されるか否か、ということが分かれ道になる、とのことです。しかし、この「逮捕するのかどうか?」ということは、捜査機関がかなり恣意的にきめることです(それ自身とっても問題だと思いますが)。マスメディアが、その捜査機関の判断に従って捜査対象になっている人の呼称を言わば自動的に決める、というのは、報道機関としての自主的な判断を放棄した無責任・無定見な態度のように思えます。
そもそもこの「容疑者」呼称というのは、
「1980年代半ばから暮れ(昭和末期から平成初年)にかけ、ほとんどの放送・新聞などのマスメディアは「容疑者」という呼称を用いるようになった。読売・毎日・朝日の各紙は、それぞれ1面で容疑者という呼称をこれから使用することを述べている。それによると、以前は「実名呼び捨て」であったが、被疑者は無罪を推定されている立場であり、基本的人権の観点から呼び捨ては適正でないことを挙げている。」(同)
というものです。「基本的人権の観点から」わざわざ使われるようになった言葉だというのですから、もしもその趣旨が本当なのであれば、「逮捕」の有無如何にかかわらず、在宅の人も含めて法的に「被疑者」だとされる人については、ひとしく「容疑者」と呼ぶようにすればいいのだと思います。そうできない、というのは、「容疑者」という呼称が、実はなんら「無罪推定からの人権擁護の観点」から使われているわけではないことを自ら暴露してしまっているもののように、思えてしまいます。大体、なぜ法的な用語である「被疑者」をつかわないのか?ということについて「『被害者』と混同されがちだから」みたいな理由をつけていますが、「被=こうむる」と「容=いれる」では意味が全く違います。「容疑者」と言っている時点で「有罪推定」のにおいがかなり強くなっている、ということなのではないか、と思えます。
そもそも、この犯罪報道における「実名報道」というものに、どういう意味があるのか?・・・疑問です。
最近、ニュースを聞いていてそう思ったものとして、次のような事件がありました。(九州のテレビニュースで聞いた事件です。)
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たしかに7歳の子供が重傷を負わされた事件ですので、同年代の孫をもつ私としても穏やかでないところがあるのですが、それにしてもこれが全国的に実名報道されるべきことなのか?と思います。自転車じゃなくて自動車だったらどうなの?と思いますし、公開されている画像を見るとそれほど悪質なものだとは思えず、20歳になったばかりの若者を実名で「容疑者」として全国に知らしめる意味がどこにあるのか?と思います。
そして、あらためて「人気アイドルグループ「TOKIO」の山口達也メンバー(46)」に戻れば、この20歳の若者を「容疑者」と呼ぶのに対して、山口氏を「容疑者」としないのは、あまりにも均衡を欠く、と思うのです。
「会見」は、冒頭のジャニーズ事務所顧問弁護士の説明も、本人の「挨拶」も、何故か周囲に記者たちが群がってする質問も、どれもこれもが低劣なもので、見るに堪えるものではありませんでした(これがジャニーズ事務所の「危機管理」というものなのでしょう)。馬鹿だね・・・。私が・・・。
ところで、この事件の報道で気になったのが、「山口達也」氏に関する呼称です。例えば、朝日新聞では、「人気アイドルグループ「TOKIO」の山口達也メンバー(46)」と呼んでいます。NHKも同じです。
「山口達也メンバー」って、とってもおかしな呼び方なので気になってしまいます。
「強制わいせつの疑いで書類送検」されたわけですから、「容疑者」でもよさそうなものなのに、何故?と思って調べてみると、次のようなことでした。
「逮捕状が出てから指名手配、逮捕、送検までは『容疑者』」、「実名を出す場合の任意調べ、書類送検、略式起訴、起訴猶予、不起訴処分は『肩書き』または『敬称(さん・氏)』を原則」(共同通信記者ハンドブック)としている、ということだそうです。(Wikipedia。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E7%96%91%E8%80%85)
要するに「逮捕」されるか否か、ということが分かれ道になる、とのことです。しかし、この「逮捕するのかどうか?」ということは、捜査機関がかなり恣意的にきめることです(それ自身とっても問題だと思いますが)。マスメディアが、その捜査機関の判断に従って捜査対象になっている人の呼称を言わば自動的に決める、というのは、報道機関としての自主的な判断を放棄した無責任・無定見な態度のように思えます。
そもそもこの「容疑者」呼称というのは、
「1980年代半ばから暮れ(昭和末期から平成初年)にかけ、ほとんどの放送・新聞などのマスメディアは「容疑者」という呼称を用いるようになった。読売・毎日・朝日の各紙は、それぞれ1面で容疑者という呼称をこれから使用することを述べている。それによると、以前は「実名呼び捨て」であったが、被疑者は無罪を推定されている立場であり、基本的人権の観点から呼び捨ては適正でないことを挙げている。」(同)
というものです。「基本的人権の観点から」わざわざ使われるようになった言葉だというのですから、もしもその趣旨が本当なのであれば、「逮捕」の有無如何にかかわらず、在宅の人も含めて法的に「被疑者」だとされる人については、ひとしく「容疑者」と呼ぶようにすればいいのだと思います。そうできない、というのは、「容疑者」という呼称が、実はなんら「無罪推定からの人権擁護の観点」から使われているわけではないことを自ら暴露してしまっているもののように、思えてしまいます。大体、なぜ法的な用語である「被疑者」をつかわないのか?ということについて「『被害者』と混同されがちだから」みたいな理由をつけていますが、「被=こうむる」と「容=いれる」では意味が全く違います。「容疑者」と言っている時点で「有罪推定」のにおいがかなり強くなっている、ということなのではないか、と思えます。
そもそも、この犯罪報道における「実名報道」というものに、どういう意味があるのか?・・・疑問です。
最近、ニュースを聞いていてそう思ったものとして、次のような事件がありました。(九州のテレビニュースで聞いた事件です。)
20歳大学生の男逮捕 7歳男児自転車ひき逃げ 容疑認める 札幌市中央区:4/20(金) 12:45配信 北海道ニュースUHB
先週、札幌市中央区で小学2年生の男の子が自転車にはねられて重傷を負ったひき逃げ事件で、警察は、札幌市の20歳の男を逮捕しました。
道路交通法違反などの疑いで逮捕されたのは、札幌市豊平区の大学生・○○〇〇容疑者(20)(原文は実名)です。
この事件は4月9日、札幌市中央区南9条西3丁目のコンビニ前の歩道で、店から出た小学2年生の男子児童が右から来た自転車にはねられ、左足の骨を折る重傷を負ったものです。
はねた白い自転車の男はそのまま現場から走り去っていて、警察は画像を公開するなどして行方を追っていました。
警察は、19日までに事情を知っているとみられる○○容疑者を見つけ、20日朝から話を聴いたところ、容疑を認めたため逮捕しました。
警察は自転車の確認を含めさらに事情を聞いています。
先週、札幌市中央区で小学2年生の男の子が自転車にはねられて重傷を負ったひき逃げ事件で、警察は、札幌市の20歳の男を逮捕しました。
道路交通法違反などの疑いで逮捕されたのは、札幌市豊平区の大学生・○○〇〇容疑者(20)(原文は実名)です。
この事件は4月9日、札幌市中央区南9条西3丁目のコンビニ前の歩道で、店から出た小学2年生の男子児童が右から来た自転車にはねられ、左足の骨を折る重傷を負ったものです。
はねた白い自転車の男はそのまま現場から走り去っていて、警察は画像を公開するなどして行方を追っていました。
警察は、19日までに事情を知っているとみられる○○容疑者を見つけ、20日朝から話を聴いたところ、容疑を認めたため逮捕しました。
警察は自転車の確認を含めさらに事情を聞いています。
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たしかに7歳の子供が重傷を負わされた事件ですので、同年代の孫をもつ私としても穏やかでないところがあるのですが、それにしてもこれが全国的に実名報道されるべきことなのか?と思います。自転車じゃなくて自動車だったらどうなの?と思いますし、公開されている画像を見るとそれほど悪質なものだとは思えず、20歳になったばかりの若者を実名で「容疑者」として全国に知らしめる意味がどこにあるのか?と思います。
そして、あらためて「人気アイドルグループ「TOKIO」の山口達也メンバー(46)」に戻れば、この20歳の若者を「容疑者」と呼ぶのに対して、山口氏を「容疑者」としないのは、あまりにも均衡を欠く、と思うのです。