この問題、いろいろな切り口のある問題なのだと思います。
まずは、オーソドックスに、「偽装」が許し難い、ということがあります。社長さんがいみじくも言ったように「誤表示」と言い張られている「偽装 」「偽称」は、この世の中、いくらでもあるのでしょう。特に「専門領域」については、少々の嘘を言ってもわからない、として「偽」がまかり通る危険性が大きい、ということに注意する必要があります。これは、わが業界についても胸に手を当てて考えるべきことです。
この問題だけに限って言えば、「一流ホテル」で高い金を払っている「客」の資質も問われます。「芝海老」や「九条ネギ」だと言われるからありがたがる、その実質は何もわからない、それでいて高い金を払ってそれが「ステータス」だと思う、という状態は脱け出すべきものだと思います。そんなことに金を使うくらいなら稼がなくたっていいじゃないか、・・・・と私は思うのですよね。
・・・というようなことはともかく、今回の「事件」について言われていることの中で私が興味深く思ったのは、このような事態を招いた原因として、「合併を繰り返す中で『社内融和』を何より追求するようになり、互いの非を追求しないようになった」ことがある、というような解説です。確かに「仲良きことは美しき哉」なのですが、それが第一の目的のようにされてしまうといけないのですね。元々個人事業者の集まりである私たちの業界でも同じようなことがあり得るのだと思います。
「社内融和」を乱してでも「食材偽装はいけない」と言わなければならない・・・。この事件を受けて私の得た教訓です。