大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

今日は研修部会

2011-06-30 06:09:26 | 調査士会

今日は研修部会です。

私は、「研修」は調査士会の最も重要な機能だと思っています。今、調査士会には5つの「部」がありますが、もしもどれかひとつだけしか残すことができない、ということになったら(そんなことありえませんが・・)、「研修部」を残す、ということにします。

しかし、これまでの調査士会の「研修」はけっして十分なものではありませんでした。年に3回の「全体研修会」に「外部講師」を呼んできて、「事業消化」してきた、というのが実情であったような気がします。

この現状は、早急に克服されなければなりません。

(あまりにもあたりまえのところからの話ですが)調査士資格が業務独占資格であるのは、「調査士にしか業務をさせない理由」があるからであり、それは「調査士なら一定水準以上の仕事ができて、安全・安心を確保できるから」ということであるはずであり、調査士会が強制入会となっているのは、「調査士会という組織によって、その理由が確保しうる」から、であるはずです。

調査士の業務独占を、あたりまえの、けっして動かない前提のように考えられる時代ではありません。もしも、私たち自身が、その理由を、現実のものとしてしっかりと体現できなければ、それは社会から否定されることになるかもしれません。調査士会における「研修」が重要である所以です。

そこで今年は、「研修」の強化を課題とします。年3回の「全体研修会」は、それとして行いますが、それ以外の研修を、当面は隔月、やがては毎月、行っていくようにしたいと考えています。初めのうちは、大変かと思いますが、早く軌道に乗せられれば、と期待しています。

研修部のもう一つの課題は、「研修実績の公開」をめぐる問題です。

今、全国の調査士会で「CPD(Continuing Professional Development)制度」が実施され、調査士会会員に「CPDポイント」が付与されています。

このポイントの公開について、大分会では、今年から「同意を得た者のみについてホームページ上で公開」、ということを行っています。

これについては、また別に詳しく論じなければならないことですが、このような形、というのは、「CPD制度」としては、自然な姿なのかもしれません。それは、「CPD」という名前が示すように、あくまでも個人としての「継続学習」の制度なのであり、そのポイントも個人に「付与」されたものであり、他業界では「入札参加資格」の要件に利用されたり、アピールポイントとされたりしているものなのですから、「同意」というよりも「希望」する者のみについて「公開」する、というのは、ある意味自然な姿、とも考えられるわけです。

しかし、このような形は、初めの方で述べた「業務独占資格の強制入会」の会のあり方としては、まったく不十分でおかしなものだと言わなければなりません。

この現状を変え、会員の研修実績を、調査士会の組織的情報として国民に公開していく方向で、考えて行かなければならない、と思っています。

そして、初めの話に戻りますが、そのような公開を行っていくのであれば、その前提として、会がしっかりとした研修を提供していることが必要になります。

そこで、「研修の充実―実績の公開」ということを、今年から来年にかけての課題としていきたいと思っています。

最後になりましたが、研修部会は、研修部長の三宮浩輝さん(大分)、研修部理事の大久保秀一さん(宇佐)と、研修部員の森崎竜二さん(佐伯)、甲斐信治さん(別府)、河合清次さん(鶴崎)のメンバーです。未来の調査士を考え、研修のあり方を検討・実施していける強力な体制になっていると思い、期待するとともに、皆さまのご協力をお願いします。


右肩下がり

2011-06-29 05:48:33 | インポート

4月:130.5  →  5月:81.1 → 6月:34.9

さて、この「右肩下がり」の数字の動きは何でしょう?

答えは、・・・わが事務所の売上金額の減少傾向・・・・・ではありません。

正解は、・・・・私の月間走行距離の推移、です。

今年から、世間の「ランニングブーム」に乗っかって、夕方・休日に走るようにしています。 4月は、天気がよかったし、会務はなかったし、仕事もヒマだったし、何もできずにいる情けなさをせめて走ることで晴らしているようなところもあって、結構走りました。

しかし、これらの条件が少しずつ無くなってきてしまい、特に今月は悪天候と出張つづきによって、ほとんど走れていません。

元来「三日坊主」までいけば上出来、という継続力の欠如、飽きっぽさを性格としているのに、せっかくここまでやってきたのだから、もう少し続けて走って行きたい、と思っています。

そこで、恥を忍んで、ここに公開しました。

目標は、今秋の「フルマラソン参戦!」

どうでしょうか?私と一緒に挑戦してみよう、という人はいませんか?・・・・いましたら、ご連絡ください。


地震に伴う地殻変動と筆界(4)・・・(終)

2011-06-28 06:21:05 | インポート

急に暑くなりました。・・・別に暑くなったから、というわけでもないのですが「地震に伴う地殻変動と筆界」について、いつまでも「続く」状態にしているのも暑苦しい感じなので、今日で一度閉じることにします。もちろん、「序論」にも入ってない段階なので、今後、様々な場所で考えて、議論して行かなければならないことではあり、さらに「続」けて行かなければならないのですが。

「登記研究」誌759から、初回に引用した部分をもう一度。

「土地の移動は広範囲でみると、一定方向のようであっても、局所的に地盤の硬軟や地形などが原因となって、一様でないものとなっていることから、パラメータに基づいて変換した登記所備付地図上の筆界の位置を絶対視することもできない。やはり、現地の境界標は筆界を示す重要な資料で、登記所備付地図との整合を図りながら筆界を確認していく必要があると思う。」

「先輩」が、「まとめ」的に言っていることですが、まさにそのとおりなのだと思います。これは、

「位置関係については、登記所備付け地図、現地の境界標、周辺の地物などから総合的に判断して、土地の整備や建物の建築の資料としてもらうことに意味があると考えられる」

とも言われています。

確かにその通りなのだと思います。しかし、そうして考えてみると、このようなかたちでの「筆界の判断」を行うべき、ということは、何も地震による地殻変動を受けてのことではなく、ごく通常の私たちの業務における筆界の認定においても同じなのではないでしょうか?

通常の業務においても、もしも「地図」が「B」点を筆界だと示していたとしても、現地の状況、他の資料から総合的に判断して「C」点が筆界だと判断できるのであれば、そう判断すべきです。「地図訂正」という手続は、だからこそありうるわけです。

「総合的判断」を正しく、速やかに行って、「土地の整備や建物の建築」といった土地利用に資する役割を行うことにこそ、「登記制度」とそれに従事する調査士の存在意義があるのだと思います。このことが、「平時」に忘れられがちだったとするなら、今、震災という大きな打撃を受け、そこから立ち直って行こうとするときに、はっきりと思い起こさなければならないのだと思います。

そして、そのようなことを行おうとするときには、従来のパラダイムから離れて、根源的な問題として考えていく必要があるのだと思います。

その一つは、「登記所備付地図」のあり方、です。「登記研究」誌で、「後輩」が「相対的位置関係」が重要だから震災後の地積測量図は任意座標でもいいだろう、と行ったことに対して「先輩」が次のように言っています。

「基本三角点の震災前の座標値は、可能な限り活用してもらった方がいいと思う。・・・基本三角点の測量成果が改めて公表されたときに、ヘルマート変換を行えば、公共座標に準じて扱うこともできるのではないかな。」

どうなのでしょう?このような考え方によって、一つには現実的な混乱が起きるように思いますし、もう一つには、こう考えることが「地図絶対」「座標地絶対」に結びついて、上述の「総合的判断」への妨げになってしまうのではないか、ということが、私には懸念されます。

・・・・・以上、羊頭狗肉的な「連載」になりましたが、これで、いったん「終」にします。


「境界問題相談センター」

2011-06-26 18:31:56 | 調査士会

今週の予定。

6/28(火曜) 境界問題相談センター設立準備委員会

「境界問題相談センター」という名称は、全国の多くの調査士会においてはADR機関の名称として使用されていますが、大分の調査士会で設立を準備しているものは、ADR機関ではなく、その名称通りの「相談センター」であり、相談機関です。

私は、およそ専門職の団体である以上、その専門分野に関する国民の「相談」を受け付ける常設の機関を持つべきだ、と考えているのですが、これまで調査士会ではそのような相談機関を持たずに来てしまいました。弁護士会における「法律問題相談センター」、司法書士会における「司法書士総合相談センター」のように、調査士会でも常設の相談機関をつくるべき、とういうことで、ADRセンターとは違うものとして「相談センター」を設立して行きたい、と考えています。

調査士法の法律上の規定で言えば、第3条1項第6号の「前各号(1号の表示に関する調査・測量、2号の表示に関する登記申請手続、3号の書類作成、4号の筆界特定手続の代理、5号の筆界特定関係書類作成)に関する相談」、同第8号の「前号(7号のADR代理)に掲げる事務についての相談」という調査士の業務について、調査士会が会としての責任において組織的枠組みを提供する、ということでもあります。

また、どうしてこれまで調査士会においては「相談」ということが、正面からとりあげられてこなかったのか?・・・ということを反省的に考えておく必要がある、と思います。私としては、調査士がこれまで、「国民」と直接向き合う形で自分の職責を考えてこなかった、ということがあるのではないか、という気がします。このことは、調査士界が抱えている問題点として取り上げられる「調査士の知名度の低さ」「調査士志願者の減少」といった問題に関しても、根拠の一つとしてあげるべき根本的な問題なのではないか、・・・と私は考えています。

「いや、そんなことはない。私は正面から依頼者(国民)と向き合ってきた。」と胸を張って言いたい、という調査士の方もあるかもしれません。確かに、個々の調査士のあり方にはさまざまなものがあって、一概に言うのは乱暴かもしれません。しかし、その上でなお言えば、調査士は(全体として)、「登記手続」という行政手続を媒介にして依頼者に対していたのであり、登記手続を実施する法務局という行政機関を媒介にして国民に対していた、のであり、直接国民と向き合う局面は少なかった、弱かったのではないか、と思います。

このような、媒介的な関わり、というのは、調査士法3条1項の上記の職務から言っても当然のことであり、大切なことではあるのですが、今日においては、それだけにとどまっていてはいけないのだと思います。より国民との直接的な関わりを持つべきなのであり、そこにおける有用性を職務の全体に活かしていくことを自覚的に追求するべきなのだと思います。

「相談センター」の設立へ向けた作業は、そのような調査士会としての方向を実体化していく重要なものです。佐藤栄二さん(業務部長)をはじめとして、福盛純崇さん、本田岳夫、井上誠さん(みな大分支部)という若手の優秀で意欲ある委員の皆さんが、昨年のADR準備の成果を踏まえて、相談機能の確立、特に全領域への対応を可能にする認定調査士による相談業務の枠組みをつくるために検討・準備を進めてくれます。

6/30(木曜) 研修部会

については、また後日。


大分支部評議員会

2011-06-25 08:07:16 | 調査士会
昨日、大分支部の評議員会があり、参加させていただきました。

大分支部では、4月の支部総会において、「鶴崎支部との合併」が議題となり、まだ結論がでていない状態にあります。

このことが問題になったのは、それまで調査士会の支部は、法務局の支局・出張所と対応するかたちであったのですが、法務局の統廃合が進み、この3月、それまでの別府出張所、鶴崎出張所が本局に統合されたことにより、支部のあり方そのものが問われたことによります。

私は、支部の総会でも、本会の総会でも発言したのですが、この問題は、単に「大分と鶴崎」の問題ではなく、「調査士における支部」とは何なのか?ということを根本的に問い直す中で結論を出していくべき問題だと思っています。
そのようなものとして、7月5日に開催する支部長会では、それまでに行う各支部の実態アンケートをもとに、「現在支部はどのように機能しているのか」を明らかにしつつ、今後、支部はどのようにあるべきなのか、ということを論議して行きたいと思っています。

昨日の支部評議員会(その後の懇親会)でも、みなさんがどのように考えているのか、ということをインタビューして回り、本音の意見を聴くことができました。「現状を変える必要はない」「合併は避けられない」「そもそも今の時代には支部など必要ない」・・・・など、それぞれ説得力のある意見があり、大変参考になりました。

今後、議論を尽くしつつ、明確な結論を出していくことが、執行部に課せられた課題だと思いますので、ご意見がありましたら、お寄せください。