普及活動の方法や内容など,今後の普及活動の効率化と効果的な方法を探るため,外部検討委員7名を招き「平成29年度第1回石巻地域普及活動検討会」を8月10日に開催しました。
本年度は,東日本大震災後に設立された石巻市針岡地区の大規模土地利用型経営体の現況を視察した後,地区内の公民館において総合検討を行いました。
出席委員の方々からは,経営面においては経営面積増加に伴う人材確保や農業機械の更新に伴う積立金等の財務管理,生産販売面においては施設園芸作物の坪当たり販売単価の向上などの御意見をいただきました。
また,今回は「宮城県震災復興計画の発展期における普及指導計画の方向性」という項目を設け,今後の普及指導の計画や活動に対する御意見を伺ったところ,新規就農者の確保に向けた支援のレベルアップ,市場出荷だけでなく人との繋がりを持った販売環境づくりなど様々な御意見をいただきましたので,今後の普及活動や普及計画等の参考にしてく予定です。
石巻農業改良普及センターでは,平成29年8月2日に,震災後に急増した農業法人の社員を主な対象に,農業法人新入社員向けセミナーを開催しました。
農業法人は少数の役員,社員で経営されている事例が多く,人材育成の重要性は認識しつつも,どのようにしたら良いのか戸惑いを感じている場合が多いようです。そこで,普及センターでは農業法人の社員育成を企画運営し,社会人として必要となる基本的な知識やスキルなどを身に付け,次世代を担う人材として育成することを支援しています。
講師を務めたオフィス55の高木代表からは,細かいマナーの手法ではなく,本質的に押さえるべきマナーのポイントや,組織の一員として働くために必要なルール及びそのルールが必要な理由等について,ゲームやグループディスカッションを交えながら分かりやすく説明していただきました。セミナーに参加した7名の方々からは、「一方的に話を聞くだけでなく,意見を出し合ったり,動いたりと,楽しんで参加できた。」等の感想が聞かれ,好評でした。普及センターでは今後も雇用就農者に対する支援に取り組んでいきます。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班班
TEL:0225-95-7612 FAX:0225-95-2999
平成29年7月21日,石巻管内のいちご生産者を対象に「いちごにおける新たなIPM技術研修会」を開催しました。IPM(総合的病害虫管理)とは化学合成農薬のみの防除ではなく,生物的,耕種的,物理的防除など様々な手法を組み合わせて行なう病害虫管理方法です。研修会には,生産者をはじめJAや県の関係機関等60名近い参加者があり,病害虫防除への関心の高さがうかがえました。
最初に「高濃度炭酸ガス処理におけるハダニ類防除と普及」と題し,(株)アグリクリニック研究所の村井保氏から高濃度炭酸ガス処理の概要や防除効果,その他害虫への可能性など幅広く講演いただきました。次に,栃木県農業環境指導センターの小山田浩一氏から「栃木県におけるIPM技術への取組事例」として,天敵の活用状況や生産者の取組,高濃度炭酸ガス処理の導入状況や課題等先進地の事例について講演いただきました。その他,農業・園芸総合研究所からは,「紫外線照射(UV-B)によるいちごうどんこ病防除」,「バンカーシートを利用したハダニ類防除」と題して,防除効果や現場での実証試験の結果について情報提供いただきました。
会場では講演を聞きながら熱心にメモをとる姿が多くみられ,質問や会場からの話題提供があるなど,積極的な意見交換の場となりました。今後もIPMに取り組む経営体がさらに増加することを期待します。
7月26日,蔵王町においてJAみやぎ仙南蔵王地区里芋部会の現地検討会が行われました。
さといもは蔵王町の代表的な特産農産物ですが,生産者の高齢化により年々生産面積が減少し
省力化技術の導入や安定生産技術が求められています。
蔵王地区では,収量を確保するため,通常,7~8月にマルチ(雑草抑制や地温上昇を目的に土
の表面を覆うフィルム)を除去し,追肥と土寄せ作業が行われていますが,労力を要する点が課
題となっています。
普及センターでは,これらの作業を省力化するために,試験展示ほを設置しています。試験展
示ほは,4月にうね立てと同時に肥料を全て基肥として施用し,マルチ除去,追肥,土寄せ作業
を省略する省力化技術を実証しています。
検討会では,試験展示ほの栽培方法と現在までの生育状況を報告するとともに,今後の管理と
して,病害虫防除の徹底を呼びかけました。
部会員からはマルチを除去しない場合の管理方法や,効果的に病害虫防除を行うための農薬の
使用方法など多くの質問が出され,活発な意見交換が行われました。
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター 地域農業第二班
TEL:0224-53-3519 FAX:0224-53-3138
豆苗及びスプラウト国内トップシェアである広島県広島市の株式会社村上農園が宮城県に進出することになりました。
平成29年8月7日(月),宮城県庁において宮城県知事を立会人として株式会社村上農園・大郷町・成田川地区大規模農業用施設用地地権者協議会で立地に関する協定調印式が実施されました。
株式会社村上農園の進出にあたっては,仙台地方振興事務所と大郷町が支援し実現したものです。東北エリア初進出に加え,発芽野菜生産施設では国内最大規模となります。
施設は農地約6haに4期に分けて建設され,平成31年から生産が開始される計画となっています。生産されたスプラウトや豆苗等は東北一円・関東地区で販売されます。
宮城県は今後も大郷町役場と協力しながら,施設建設と生産が計画どおりに進み,園芸振興が図られるよう支援をしていきます。
〈連絡先〉
宮城県仙台農業改良普及センター
〒981-8505 仙台市青葉区堤通雨宮町4番17号
TEL:022-275-9829
FAX:022-275-0296
E-mail sdnokai@pref.miyagi.lg.jp
管内生産者が栽培する各種「切り花」の出荷がピークを迎えました。小ギク・輪ギク・スプレーギク,ヒマワリ,トルコギキョウを中心に仙台市場や管内直売所に続々と出荷されています。
6月上旬の低温と7月の高温,8月に入ってからは雨続きと異常な気候で切り花生産には不利な状況が続きましたが,ようやく開花までたどりつき,お盆のお供え用や家庭用・プレゼントにとさまざまなシーンで活躍できる切り花に仕上がりました。ぜひお買い求めのうえ,大崎地域の切り花をお楽しみください。
引き続き,9月のお彼岸シーズンの出荷に向けても良質な切り花生産に取り組んでいきます。
<連絡先>
宮城県大崎農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0229-91-0726 ,FAX:0229-23-0910
平成29年7月28日(金),名取市田高に農家食堂「神明そば 慶」がオープンしました。このお店は,名取市で主に米・大豆・そばを生産する株式会社今慶農産が,地場で栽培された農産物のPRと消費拡大,地域の交流拠点となることを目的に開いた農家レストランです。
レストランでは自家栽培している秋そば「品種名 常陸秋そば(ひたちあきそば)」を,自家製粉・自家製麺して提供しており,1日限定30食の十割そばは,店内で手打ちしてそばに仕上げ,打ち立て・ゆで立てのそばを楽しむことができます。そばとともに提供される餅は,冷めてもやわらかい宮城県の品種「こもちまる」を使用した,こだわりの逸品です。またお店で提供される野菜も,自家栽培や地域で栽培された旬の野菜をふんだんに使用し,地場産の豊富な食材を味わうことができます。
農家レストランに加えて農産物直売所も併設し,地場産農産物をはじめ,餅,おこわ,漬け物,味噌などの加工品の販売を通じて,地域食材の魅力を発信していきます。
普及センターでは食材PRや直売所の運営方法について情報提供するとともに,地域食材をPRするイベントを支援していきます。
<連絡先> 宮城県亘理農業改良普及センター 先進技術班 TEL:0223-34-1141 FAX:0223-34-1143
宮城県石巻農業改良普及センターでは,平成29年8月4日にみやぎ農業未来塾「在学者コース」として,当管内で先進農業体験学習を予定している農業大学校生を対象に,管内農業の現状を紹介し,農業の理解を深めるとともに,学習意欲や就農意欲を喚起することを目的に開催しました。
今年度の先進農業体験学習を石巻管内で受講する農業大学校生は5名で,研修内容は土地利用型作物,施設園芸,農産加工等様々です。普及センターの伊藤農業普及指導専門監からは,受入先の生産者は,いずれも農業の発展に協力的で,高い技術を持っているだけではなく,人間的にも素晴らしい方々なので,1月後は安心して体験学習に励んで欲しい,とのあいさつがあり,農業大学校生は33日間の体験学習への期待を膨らませていました。その後,普及センターから管内農業の概要等を紹介し,全員で意見交換を行いました。農業大学校生は最初は緊張した様子でしたが徐々に打ち解け,後半は石巻管内の農業のほか,自分の将来の就農,就職等についての話題も出るなど,有意義な意見交換ができました。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0225-95-7612 FAX:0225-95-2999
平成29年度宮城県農村青年のつどいが,石巻市北村の「こもれびのふる丘 遊学館」及び「コロボックルハウス」で7月29~30日に開催されました。つどいには,各地区の4Hクラブ員,県農業大学校生等,宮城県の次代を担う青年農業者及びその候補生49名が参加しており,石巻地区4Hクラブ連絡協議会(以下,「石巻4Hクラブ」)からは,6名参加しました。農業技術競技では農業に関する問題50問に対し,1チーム2~3名のチームに別れ,難問に挑みました。農業技術の基礎的な問題から,最近の農業施策に関するものまで問題は多岐にわたっており,参加者はいずれも頭を悩ませていました。優勝は逃しましたが,石巻4Hクラブは,地区総合の部で第2位となり,見事「優秀賞」を受賞しました。その後はレクリエーションでのドッチボールや,合同キャンプを行い,各地区クラブ員の相互交流を図りました。
石巻4Hクラブは,今後も様々な行事に積極的に参加し,農業技術の向上と青年農業者の交流に取り組んでいきます。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0225-95-7612 FAX:0225-95-2999
平成29年8月3日,JAいしのまきせり部会主催の現地検討会が開催されました。宮城県は,せりの生産量が日本で一番多く,石巻市河北地区は名取市に次ぐ産地となっています。
現地検討会には部会員8名が参加し,各ほ場を巡回しながら栽培管理,病害虫管理について検討を行いました。やや生育ムラが見られるほ場はありましたが,全体的に生育は順調で,種せり採取,植付けに向けて参加者達は積極的に意見交換をしていました。生産している品種は「飯野川在来」,「VWD-1」,「島根みどり」です。現在の状況は5月下旬頃に地上部を全面刈り込みを行い,種となるランナーの発生を促しているところです。巡回の際,これからの防除対象となるモトグロヒラタマルハキバガ(シンクイムシ)やアブラムシ等の食害や寄生及び,葉枯病がわずかに確認されました。生産者間で農薬の散布時期に差があったことから,適切な時期に農薬を使用するよう助言しました。今後,本格的に栽培が始まるので生産者一同いっそう気を引き締めて頑張ると意気込んでいました。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 先進技術第2班
TEL:0225-95-1435 FAX:0225-95-2999