加美町の南鹿原地区と上区・城内地区では、令和4年度から「グリーンな栽培体系への転換サポート事業を実施しています。有機物を活用した化学肥料の削減、中干し延長による温室効果ガスの削減の環境負荷軽減技術と、乗用除草機やドローン追肥などの省力化技術に取り組み、最終年である本年度は概ね想定どおりの効果を得ることができました。普及センターでは、今後も農協等と連携し、これらの技術を組み合わせたグリーンな栽培体系の普及拡大を支援していきます。
名取市の野菜直売グループ「サンサンメイト」では、毎月定例会を行い、会員全員が集まる情報交換と打合せを行っています。3月5日に開催された定例会に合わせて、これから各種野菜の作付けが始まること、農薬登録の作物分類が最近変更されたこともあり、当普及センターから野菜の「農薬登録作物区分」について情報提供する研修会が開催されました。
研修会では、基本的な農薬の使用方法を確認した後、トマトとミニトマト等の身近な例を出しながら、出荷している野菜の農薬登録作物区分について、農薬適正使用に関するパンフレット3種類を用いて研修しました。また、最新の分類表を用いて出荷している野菜の使用区分を確認しました。最も出荷の多い「非結球アブラナ科葉菜類」については、登録のある農薬についても数剤紹介し、農薬のローテーション散布の提案を行いました。
研修後には、農薬を混用する場合の順番や、農薬を用いない以外の各種病害虫対策について幅広く質問があり、活発な研修会となりました。
当普及センターでは農薬の適正使用を含め、栽培技術や病害虫防除等について引き続き支援していきます。
サンサンメイト研修会の様子
<連絡先>
宮城県亘理農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0223-34-1141 FAX:0223-34-1143
令和7年1月15日午後、JAいしのまき農業情報センターで、「みどり認定とJ-クレジットセミナー」を開催しました。
まず、当事務所から、「みどり認定の概要」を説明後、「㈲大郷グリーンファーマーズ」西塚代表から会社のこれまでの歩みや、有機農業、みどり認定に取り組んでみての話をいただきました。また、みどり認定やJ-クレジットは、生産者メリットが見えづらい課題があるが、時代に合致した取組だとのお話もありました。
また、農業由来の温室効果ガス排出低減した農家と温室ガスを排出する企業との仲立ちを行う「株式会社フェイガー」の松谷達馬氏からJ-クレジットについて紹介があり、対象技術である水稲の中干延長の方法について説明がありました。宮城県内においても5つのJAが取組んでいるとのことでした。
今後も普及センターでは、環境に配慮した持続的な農業生産を支援していきます。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター TEL0225-95-7612 FAX0225-95-2999
普及センターでは、プロジェクト課題として、「慣行よりも減肥を行ったペースト二段施肥」と、「非プラスチックコーティングの緩効性肥料栽培」及び「堆肥入り肥料+流し込み施肥」を設置し、従来の環境保全米から一歩進んだ「グリーンな栽培体系」と、生産者の選択肢拡大に向けた検討・検証を行っています。
去る10月20日、JAみやぎ登米本店を会場に開催された「JAみやぎ登米アグリフェスタ」で、「グリーンな栽培体系」を紹介しました。
会場ではパネル展示とチラシの配布を行いましたが、パネルを見た来場者からは、減肥の量や非プラスチックコーティング肥料の仕組みなどの質問があり、関心をもってもらえたのではないかと感じました。
今後も様々な機会を通じて「グリーンな栽培体系」の周知を図ってまいります。
パネルの内容を来場者に説明する様子
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 先進技術班
〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電話:0220-22-6127 FAX:0220-22-7522
令和6年9月5日に環境負荷低減事業実施計画等認定地方認定委員会が開催され、登米市内初となる環境負荷低減事業実施計画の認定(みどり認定)農業者が誕生しました。
認定された品目は「水稲」で「土づくりと化学肥料・化学農薬の削減を一体的に行う事業活動」に取り組む計画となっています。
今回認定された登米市中田町の門馬一郎氏は、これまでに「みやぎの環境にやさしい農産物・認証表示制度」に取り組んだこともあり、環境に配慮した農作物の生産に意欲的に取り組んでいる農業者です。
認定申請に当たり、普及センターとしても地域調整班と連携しながら、申請書の作成等について支援し、今回の認定に至りました。
普及センターでは、みどり認定について、更なるPRを行うとともに、環境負荷低減に取り組む農業者の支援を続けてまいります。
「みどり認定」を受け取った門馬氏
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 先進技術班
〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電話:0220-22-6127 FAX:0220-22-7522
普及センターでは、昨年度から、従来の環境保全米から一歩進んだ「グリーンな栽培体系」と生産者の選択肢拡大に向けた検討・検証を行っています。
令和6年度は、昨年度に続き、「慣行よりも減肥を行ったペースト二段施肥」3ほ場と、「非プラスチックコーティングの緩効性肥料栽培」及び「堆肥入り肥料+流し込み施肥」各1ほ場 計5ほ場を設置し、関係機関と一緒に調査を行っています。
8月29日、JAみやぎ登米稲作部会員を対象に、水稲の出穂後の調査と合わせる形で現地説明会を開催しました。うち「堆肥入り肥料+流し込み施肥」の展示ほには、部会員及びJAみやぎ登米の担当者7名が出席しました。
当日の調査では、「堆肥入り肥料+流し込み施肥」展示ほでは水尻でやや葉色が薄い傾向がみられたものの、全体の生育は周辺のほ場と同等であること、昨年度の調査では肥料費も慣行の環境保全米を下回ったこと、などを説明しました。参加者は「グリーンな栽培体系」の普及の可能性を感じたようでした。
今後も様々な機会を通じて「グリーンな栽培体系」の周知を図ってまいります。
看板の前で部会員に説明を行う
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 先進技術班
〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電話:0220-22-6127 FAX:0220-22-7522
6月19日に、加美町の南鹿原グリーン協議会と上区・城内集落営農組合連絡協議会が水稲で取り組んでいる「グリーンな栽培体系への転換サポート事業」の現地検討を行いました。
南鹿原グリーン協議会では、環境にやさしい技術として堆肥の活用による化学肥料の低減や中干期間の延長、省力化に資する技術として水管理システムやドローン追肥に取り組んでいます。上区・城内集落営農組合連絡協議会では、環境にやさしい技術として基肥への有機質肥料の活用や中干し期間の延長、省力化に資する技術として乗用除草機に取り組んでいます。
当日は協議会メンバーである地元農家(事務局)、農協、普及センターで、当初計画の実施状況の確認や実証ほ場における検討を行いました。概ね計画通り取組は進んでおり、実証ほ場の水稲の生育も順調なことから、これらの取組の成果が期待されます。
<連絡先>
宮城県大崎農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0229-91-0726 ,0727 FAX:0229-23-0910
令和6年6月28日、大和町吉岡でJA新みやぎあさひな青年部正副支部長・事務局合同会議及びリーダー研修会が開催され、20名の参加がありました。研修会では、県担当から“みどりの食料システム戦略について”と題して講義を行い、推進ビジョン概要やみどり認定などについて説明しました。
出席者からは、「良い取組と思うので、農業者のみならず消費者にも理解を図っていく必要がある。」との意見や、みどり認定の要件などの質問がありました。副支部長からは、「環境意識を農業経営に取り入れていきたい。」との話があり、講義を通して理解を深めたようでした。
今後とも県では、みどりの食料システム戦略への理解促進、みどり認定取得などを支援してまいります。
大崎市や県、JA、生産者などで組織する「大崎市有機農業・グリーン化推進協議会」は、稲作で環境にやさしい農業に取り組むうえでネックとなる、水田の除草作業の負担を軽減するアイガモロボなどのスマート農機の現地講習会を大崎市松山で開催し、約30人が参加しました。
講習会では、国の「みどりの食料システム戦略」に対応した、有機農業に取り組む生産者に役立つ技術として、水田雑草の成長を抑えるアイガモロボと、スマートフォンを活用した水管理システムが紹介されました。さらに、新型のアイガモロボのデモンストレーションが行われ、参加者の注目を浴びていました。
開発中の新型のアイガモロボは、従来型と同様にソーラーパネルとバッテリーを搭載し、水田を自動で移動しながら雑草の発生を抑えるもので、従来型のスクリューの水流で泥を巻き上げる方式から、ブラシで泥を直接かき回す方式に変更されました。また、従来型より軽量化され、速度も向上したことから、より広い面積に対応できるとのことです。
通信方式の変更などで価格が従来型より安くなる見込みとの説明もあり、参加者は水田で稼働するアイガモロボを関心高く見つめていました。
普及センターでは、講習会を主催した協議会に参画し、生産者や関係機関と共に環境にやさしい技術の実証や普及に努めていきます。
<問い合わせ先>
美里農業改良普及センター 先進技術班 TEL 0229-32-3115、FAX 0229-32-2225