水戸梅日記

水戸・いばらき

問題は、躁なんです

2008-07-13 | 読んだ本
問題は、躁なんです   正常と異常のあいだ (光文社新書) 問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2008-02-15

 

 

 問題は、「そう」なんです。

 

 「そうなんですか 川崎さん・・・。」

 (じゃなくて、春日武彦さん。 ←著者 )

 

 題名に反応してしまい、

 なかなか本題にたどり着けませんが、

 きわめて真面目な本です。 

 

 常識では理解しがたい奇妙な言動や不可解な事件は、

 「躁」という視点を取り入れることで

 全体の構図が見えてくる場合があるそうです。

 

 

●躁を構成する三大要素は、

 「全能感・衝動性・自滅指向」。

 

●うつ病が心の風邪で、

 躁病は心の脱臼。

 

●光はあっても影のない世界、

 騒がしく休むことを知らない世界が、躁病の世界。

 

●躁はきわめて人間くさい成分である。

 それは香水に似ている。

 成分が濃すぎると悪臭となる。

 微量ならば、そして時と場所を選べは

 きわめて魅力的な香り。

 

●うつの底が抜けて躁へと突入し、その結果

 理解し難い振る舞いに及ぶパターンは、

 存外に世間に多く転がっていると思われる。

 

   

 この本には、「躁」に関する症例がたくさん出てきます。

 

 著者が診た患者だけでなく、

 犯罪者や作家や政治家などの言動が分析されていますが、 

 「いつか自分もそうなるかも・・・」という不安を覚えます。

 

 「躁について語っていくと、その語り手は『うつ』になっていく」

 と著者は最後に述べていますが、

 読んでいる方も、しっかり『うつ』になりました・・・。

 (でも、むしろ「うつ」が、自然ではないかとのこと。)

  

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは、パンきちです。 (パンきち)
2008-07-13 00:38:02
こんばんは、パンきちです。
近頃、テレビをつければ「うつ病」の話題が多いですよね。でも、なかなか「躁」の話は出てきません。

私が「躁鬱病」について知ったのは、だいぶ前。北杜夫さんの本を読んだときです。「躁」状態の北さんの様子が(傍から見れば)、おかしくておもしろくて。

「躁はきわめて人間くさい成分である。」という行が、とても興味深かったです。
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作家の方は多いですよね。 (umeko)
2008-07-13 22:04:45
作家の方は多いですよね。
有吉佐和子、中島らもさんも「躁」だったようです。幸田文さんも少し。
政治家には、軽躁的な資質が必要で、でもそれを上回る腹黒さも必要とのこと。
人はさまざまな側面やさまざまな人格を備えていて、それを場面や状況で使い分けられるから、奥行きがあるそうです。(躁には奥行きがないそう。)
 
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