正確には(「巨人の星」をもじるならば)「ウィザーズの星」と言うべきか(そこまで言うのは気が早いか 笑)。米プロバスケットボールNBAのドラフト会議で、八村塁がワシントン・ウィザーズから日本人初となる一巡目指名(全体9位)を受けた。NBAと言えば田臥勇太が先駆者としているにはいるが、ドラフトを経てNBA入りするのは初めてのことであり、日本バスケットボール界に新たな歴史を刻んだという意味で、日本人も(と言うと、いろいろ異論を差し挟む人がいるかも知れないが)ここまで来たかと感慨深い。
私は根っからの野球少年なので、アメリカ滞在中にMLBは見に行ってもNBAに足を運んだことはなかった。それでも三大スポーツの中でMLB以上にNBAの人気が高いことは肌で感じているし、当時はシカゴ・ブルズにマイケル・ジョーダンというスーパースターがいて、ミーハーな私はシカゴ・ブルズの真っ赤なTシャツを買って大事にしまっていたが、いつの間にか息子の寝巻になって消費されてしまった(笑)。それはともかく、身体能力に長けた黒人が多く活躍するNBAでは、技術力でなんとかなりそうな(実際にそうなっている)野球以上に、日本人には難しい世界ではないかと思っていた。実際にイチローは次の様な祝福のコメントを寄せている。「頑張ってほしいです。日本人は技術とか、どれくらい正確かが持ち味。うまい人が技術を磨いたとき、磨かれた技術というのはさらに、米国人にはないものがあるはずだから、それを見せつけてほしい」
小学生時代は野球少年で、球が早過ぎて誰も取れないからキャッチャーをやっていたらしい。小5のときには陸上100mで全国大会に出場したことがあるという。陸上で見せた身体能力の高さでは、元横綱・千代の富士を思い出させる(笑)。そんな彼のその後の活躍は目覚ましい。中学でしつこくバスケに誘われ、おだてられて軽い気持ちで始めてみると、中3の時にはチームを全国大会準優勝に導き、名門の宮城・明成高に進むと、全国高校選抜優勝大会3連覇を経験したほか、2014年のU-17(17歳以下)世界選手権では強豪国の選手を押しのけて得点王に輝いた。日本代表として、NBAグリズリーズとツーウエー契約した渡辺雄太らと21年ぶりとなる自力でのW杯出場権獲得に貢献し、その成果も考慮されて開催国枠での20年東京五輪出場が認められた・・・。
全米大学体育協会(NCAA)一部の名門ゴンザガ大では、英語は出来ないし、バスケの強豪校なのでなかなか出番も回ってこないし、苦労したようだが、3年目の今季は出場全37試合で先発を勝ち取って評価を高めたらしい。大学のフュー監督は「言葉、文化、バスケの壁全てを乗り越えないといけなかった」「ルイはここに来たとき、子猫だったが今はタイガーだ」と、その努力を称えたという。ウィザーズとは別のチームの関係者は次のように評価する。「彼はもともと大学に入った直後は即戦力と見なされておらず、将来性重視のレッドシャツ(登録外選手)となる方向性だった。しかしながら、それに満足せず1年目から『試合に出て結果を残す』ことに重点を置き、人並みはずれた練習量でプレーの質を上げ、さらにその類まれなコミュニケーション能力で入学時にはいまひとつだった英語のスキルも急速にアップさせ、周囲の信頼をつかみ取った。控え選手から2年目にはチームの最強シックスマンにまでのし上がり、3年目の今はスターティング・ファイブに入ったどころかチームのエースに君臨している。他の誰よりも非常に速いペースでアジャストする能力を秘めていると思う」 テクニカル・タームはいまひとつ分かりかねるが(苦笑)、努力して急成長を遂げた雰囲気はひしひしと伝わって来るし、見る人は見ているものだと思う。
ドラフト当日、ジャケット左襟には日の丸のピンバッジをつけ、ジャケット内側には日の丸が刺しゅうされていたという。どうしてもハーフと見られてしまうことを本人も意識しているのだろう。インタビューで、ピンバッチに込めた思いを聞かれて、「日本人として大きな舞台に出ているところを世界に見られている。僕の日本の国を世界に見せないといけないと思った」と答えた。そう、これは海外に暮らす日本人であればこそ自然に芽生える感情だと思う。代理人が同じということで既に食事をしたこともある仲のダルビッシュによると、好物は「餅とあんこ」で、ダルビッシュと同じらしい(笑)。因みに登板前日にメチャクチャ「餅とあんこ」を食べるダルビッシュによると、「カーボアップのためもあるし、餅は良い糖質でもあるし、体に合うし、もちろん美味い」ということだ。日本人ということでは、お母ちゃんが日本人(で、お父ちゃんはベナン人)という点で、大坂なおみと同じで(お母ちゃんが日本人で、お父ちゃんはハイチ系アメリカ人)、子供の成長にとって(もっと言うと日本人としての成長にとって)お母ちゃんの影響は絶大なのだ(笑)。
彼のこれからの活躍に注目したい。
私は根っからの野球少年なので、アメリカ滞在中にMLBは見に行ってもNBAに足を運んだことはなかった。それでも三大スポーツの中でMLB以上にNBAの人気が高いことは肌で感じているし、当時はシカゴ・ブルズにマイケル・ジョーダンというスーパースターがいて、ミーハーな私はシカゴ・ブルズの真っ赤なTシャツを買って大事にしまっていたが、いつの間にか息子の寝巻になって消費されてしまった(笑)。それはともかく、身体能力に長けた黒人が多く活躍するNBAでは、技術力でなんとかなりそうな(実際にそうなっている)野球以上に、日本人には難しい世界ではないかと思っていた。実際にイチローは次の様な祝福のコメントを寄せている。「頑張ってほしいです。日本人は技術とか、どれくらい正確かが持ち味。うまい人が技術を磨いたとき、磨かれた技術というのはさらに、米国人にはないものがあるはずだから、それを見せつけてほしい」
小学生時代は野球少年で、球が早過ぎて誰も取れないからキャッチャーをやっていたらしい。小5のときには陸上100mで全国大会に出場したことがあるという。陸上で見せた身体能力の高さでは、元横綱・千代の富士を思い出させる(笑)。そんな彼のその後の活躍は目覚ましい。中学でしつこくバスケに誘われ、おだてられて軽い気持ちで始めてみると、中3の時にはチームを全国大会準優勝に導き、名門の宮城・明成高に進むと、全国高校選抜優勝大会3連覇を経験したほか、2014年のU-17(17歳以下)世界選手権では強豪国の選手を押しのけて得点王に輝いた。日本代表として、NBAグリズリーズとツーウエー契約した渡辺雄太らと21年ぶりとなる自力でのW杯出場権獲得に貢献し、その成果も考慮されて開催国枠での20年東京五輪出場が認められた・・・。
全米大学体育協会(NCAA)一部の名門ゴンザガ大では、英語は出来ないし、バスケの強豪校なのでなかなか出番も回ってこないし、苦労したようだが、3年目の今季は出場全37試合で先発を勝ち取って評価を高めたらしい。大学のフュー監督は「言葉、文化、バスケの壁全てを乗り越えないといけなかった」「ルイはここに来たとき、子猫だったが今はタイガーだ」と、その努力を称えたという。ウィザーズとは別のチームの関係者は次のように評価する。「彼はもともと大学に入った直後は即戦力と見なされておらず、将来性重視のレッドシャツ(登録外選手)となる方向性だった。しかしながら、それに満足せず1年目から『試合に出て結果を残す』ことに重点を置き、人並みはずれた練習量でプレーの質を上げ、さらにその類まれなコミュニケーション能力で入学時にはいまひとつだった英語のスキルも急速にアップさせ、周囲の信頼をつかみ取った。控え選手から2年目にはチームの最強シックスマンにまでのし上がり、3年目の今はスターティング・ファイブに入ったどころかチームのエースに君臨している。他の誰よりも非常に速いペースでアジャストする能力を秘めていると思う」 テクニカル・タームはいまひとつ分かりかねるが(苦笑)、努力して急成長を遂げた雰囲気はひしひしと伝わって来るし、見る人は見ているものだと思う。
ドラフト当日、ジャケット左襟には日の丸のピンバッジをつけ、ジャケット内側には日の丸が刺しゅうされていたという。どうしてもハーフと見られてしまうことを本人も意識しているのだろう。インタビューで、ピンバッチに込めた思いを聞かれて、「日本人として大きな舞台に出ているところを世界に見られている。僕の日本の国を世界に見せないといけないと思った」と答えた。そう、これは海外に暮らす日本人であればこそ自然に芽生える感情だと思う。代理人が同じということで既に食事をしたこともある仲のダルビッシュによると、好物は「餅とあんこ」で、ダルビッシュと同じらしい(笑)。因みに登板前日にメチャクチャ「餅とあんこ」を食べるダルビッシュによると、「カーボアップのためもあるし、餅は良い糖質でもあるし、体に合うし、もちろん美味い」ということだ。日本人ということでは、お母ちゃんが日本人(で、お父ちゃんはベナン人)という点で、大坂なおみと同じで(お母ちゃんが日本人で、お父ちゃんはハイチ系アメリカ人)、子供の成長にとって(もっと言うと日本人としての成長にとって)お母ちゃんの影響は絶大なのだ(笑)。
彼のこれからの活躍に注目したい。