風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

マレーシア航空

2014-07-22 00:23:18 | 時事放談
 17日に撃墜されたマレーシア航空機に搭乗していたオランダ人男性が、「もし私の乗る飛行機が行方不明になったとしたら、その飛行機はこんな形」だと、搭乗直前に飛行機を撮影し、フェイスブックに投稿していたことが報じられていました。私も、先々週のシンガポール&マレーシア出張で、マレーシア航空を使うのはやめようって、同行者から促され、苦笑しながらも受け入れたのですが、マレーシア駐在時代はよく利用してお世話になり、東南アジアで最大規模の路線網を持ち比較的安全と見られていたマレーシア航空ですので、複雑な気持ちです。
 フィリピンでも海洋監視が話題になっているように、マレーシア軍も相当プレッシャーを受けているようです。3月に失踪したマレーシア航空370便は、4ヶ月以上経った今なお原因不明で、239名の乗客は機体とともに行方不明のままです。また、マレーシアではかつてフィリピンとの間でボルネオ島の突端にあるサバ州の領有権を巡る争いがあり、昨年も、かつてこの地域に存在していたスールー王国のスルタン(国王)の末裔を中心とする「スールー王国軍」を名乗る武装集団がサバ州に上陸し、旧王国の承認とサバ州の返還を求める事件が発生したことがあり、今なお、サバ州にはフィリピンからの不法移民が多く、人質拉致事件も絶えないのだそうです。そのため、マレーシア軍は国境警備と海洋監視能力を高めようとしているようです。
 今回のマレーシア航空機撃墜事件では、ロシア製の地対空ミサイルBUK(SA11)が使われたと見られています。ロシア軍、ウクライナ軍ともに保有するもので、当初、非難の応酬が見られましたが、どうやら撃墜犯はロシアが支援するウクライナ東部の親ロシア派という見方で国際社会は固まりつつあるようです。しかし、この親ロシア派武装集団が犠牲者の遺体や証拠品の管理を続け、ウクライナ当局や全欧安保協力機構(OSCE)監視団の立ち入りは制限されており、これほどの大事件でありながら真実が明らかにされるのは難しそうです。この空域では、迂回していた航空会社もあったようですが、撃墜まで1日平均約400の民間航空機が飛行しており、その中でマレーシア航空が誤射されたのは気の毒としか言いようがありません。オランダとマレーシアを結ぶ航路は欧州、アジア間の主要路線の一つで、経営難のマレーシア航空は、燃料節約のためでしょうか、最短距離となるウクライナ上空を飛ぶルートを選んでいたと見られるとは言え、この分では・・・泣き寝入りに終わらないことを祈ります。
コメント
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