「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

旧北陸本線廃線跡

2014年03月09日 | 福井のミミより情報

南越前町今庄と敦賀の間は、昭和37年に当時日本一長かった北陸トンネルが完成するまで、国鉄有数の峠越えの難所として有名でした。その廃線跡は、県道となって北陸自動車道と並行しており、往時のトンネルなどを通り抜けながら、廃線跡を訪ねることができます。

敦賀からかなりの山路を越えてゆくと、交通量の少ない峠道に出ます。この道をしばらく行くと、まさに列車が通れるほどの大きさに口をぽっかり空けたトンネルがいくつか現れます。

もちろん、一車線しかないのでトンネル内ですれ違いはできず、反対側が見通せない曲線のトンネルの入り口には、信号が設けられて「待ち時間3分」と表示されています。

また、トンネルの内部は、今でもしっかりと昔の石積みが残されており、北陸線時代にケーブルを通した金具の跡や作業員の待避所も残っています。

この峠の中で最長の山中トンネルを抜けると、山中信号所の跡地があります。峠の中でも希少な平らな区間を利用して、スイッチバック線などを配置して列車交換をしていたようで、国鉄技術者の苦労がしのばれます。また、この辺りでは、多くの人がすれ違い、賑わったはずですが、今は当時のことをまったく感じさせないほど、ひっそりとした山の中になっています。

 今庄の方に下ってくると、道端に大桐駅のプラットフォームが駅跡として残され、駅名表示板を模して看板が立てられています。一番峠よりの奥まった集落のはずれに造られたようです。ここも、かつては人の行き来があったと思いますが、今は隣に一軒の人家があるだけのさびしいところです。

緩やかな坂をさらに下ると、電化され複線になった現在の北陸本線と合流し、南今庄の駅に到着します。歩くと結構な距離ですが、ひっそりとした廃線跡をめぐりながら、往時の鉄道の状況やそれをとりまく社会環境に思いを馳せてみるのも、旅の一つの楽しみと言えそうです。


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