「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

ベトナム・アンコールワットへの旅 ③ シエムリアプ編

2006年01月03日 | 世界遺産めぐり
ハノイから2時間弱のフライトで、
私にとって30カ国目となるカンボジア・シエムリアプに到着。
夜でも30度と蒸し暑い。

建物一つのシンプルな空港を出て市街地に向かうと、窓の外が真っ暗。
時々ぽつんと見えるランプの明かりに、砂糖ヤシの葉で作られた
高床式の家や粗末な商店が浮かぶ。街灯も家の明かりも殆どなく、
車のライトだけが闇を照らす風景は、ほのかに見える熱帯の樹木の陰と共に、
バングラディシュの風景を思い出させる。
夜が暗いと星もハッキリ見えるので、汗をかきながらオリオン座を眺める。

シエムリアプの街に近づくと、派手なネオンとイルミネーションに
照らされた大型ホテルが並ぶ。内戦が漸く落ち着いた後、
観光で生きること選んだ街らしく、
真新しい外国人旅行者向けのホテルが数十もある。

観光客の半分は日本人と韓国人で占めるそうだが、
遺跡観光を目的に来る彼らは、
埃っぽい熱帯の田舎町を歩く気はないらしく、
殆どこれらのホテル(とツアーで連れて行かれるレストラン)から出ないようだ。

到着後、早速夜の街を歩くと、外国人旅行者向けの商店が並ぶが、
見かけるのは欧米人のバックパッカーばかり。
遺跡では嫌というほどお目にかかる日本人観光客は全く見かけない。

賑やかなオールドマーケット周辺は、
外国人個人旅行者の溜まり場となっており、
バンコクのカオサンロードのように、
欧米風のカフェバーや土産物屋がならび、
店からは大音量のUKロックやユーロビートが流れている。

このような風景を見ると、旅行というものは、
カネと暇がある人間が自分の便利な生活様式を持ち出し、
自分にとって都合よい形でのみ、現地の風物を
愉しむものだというのが如実に感じられる。

自分も便利さとは無縁ではないが、
やはり「現地のものを、現地の人の目線で」体感する旅がしたい。
多くの人にそのような旅の良さをわかって欲しいし、
受け入れる地域の人も、経済的メリット欲しさに観光客に迎合するのではなく、
自分達の生活様式を活かした観光の中で生計をたてられるとよい。

そのような考え方を、旅行者側にも、現地の人にもわかってもらうことも、
自分がやりたいエコツーリズムの一つの目標であるだろう。

$0.55のバイヨンビールを飲みながら、そんなことを南の国の街角で考えた。

最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。