「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

秋田の素敵な田舎① 谷津田で美味しい米づくり

2010年10月20日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
秋田の二宮金次郎といわれる、明治時代の農村指導者がいます。
石川理紀之助。

貧農救済のため、自らも狭い山奥の小屋に住んで、
こんな荒れ地でもやっていけるということを示したり、
今も続く種苗交換会を創設して品種改良に努めたり、
村々を回って早朝からの勤勉労働を奨励したりと、
農村振興に力を尽くしました。

その功が認めれ、今は石川理紀之助資料館があったり、
庵の跡や生活指導の跡が史跡として整備されています。
なんと、石川理紀之助検定という検定試験まであります!

その史跡のある里が、秋田県の八郎潟近くにある潟上市山田集落です。
八郎潟にそそぐ小さな川の最上流にある23世帯の集落は、
かつては農業が中心だったものの、高齢化が進み、
後継ぎがいる農業者は3,4世帯。
石川翁の庵がある上流部=草木谷の谷津田はつい最近まで
休耕地でした。

ただ、八郎潟流域の再生にかける県職員の言葉に励まされ、
谷津田の開墾と、無農薬での農業、近隣の子供を呼んでの
農業体験などをしていくうちに、少しずつ集落に活気が戻り、
集落の人たちの表情も明るくなっているようです。

集落では、昨年、草木谷の田んぼからコメを使って醸造した日本酒、
「草木谷のしずく」を限定発売。1500本は大好評のうちに完売したそうです。

石川翁の理想を現代によみがえらせたかのように、
自然の恵みを活かして集落と農業に活力を取り戻しつつある
小さな集落。手探りながらも団結して前に進む山田集落の人を応援したいです。