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「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

正木高志さん ~韓国巡礼

2009年09月06日 | Slow Life
一昨年、神の国・出雲から、核燃料再処理工場のある六ヶ所村へと歩くことを通して、核に汚染された海や傷つけてきた自然に想いを馳せ、平和を祈ろうという「Walk9」を行った正木高志さんが、このたび韓国で「Walk9」を行う。

正木さんは、沖縄の平和祈念公園を訪れた際、沖縄戦の悲惨さに衝撃を受けたらしい。さらに、その戦死者の中に、朝鮮から強制連行された労働者1.4万人が含まれていたことにに胸を痛め、韓国を訪れた。

韓国では、高齢者の日本への厳しい眼差しも感じたが、価値観や文化を同じくする若者世代と交流し、大いに刺激を受けた。しかし、世界各国への旅を続けてきた正木さんも、韓国の若者から、
「なんで今まで、すぐ近くの韓国には来なかったのか?」と言われて答えに詰まった。

過去、日本に大陸文化を伝えてきた韓国・朝鮮に対し、無意識のうちに目を逸らせてきたのではないか。弥生時代以来、多くの人が朝鮮半島から渡ってきて、現在の日本人や日本という国家のかなりの部分を作ってきたのに、朝鮮出兵や植民地化など、恩や繋がりを忘れ、彼の地を支配しようとしてきた近代日本人。

このような歴史や価値観を見直し、ともに大地とつながることを体感する「歩く旅」を通して、悲惨な過去の歴史やそれに対する韓国の人の話を聞き、謝罪し、心を通わせ、平和に基づく未来への新たな関係を作りたい~それが「韓国巡礼」のテーマだ。

正木さんの夢は、この思いが多くの若者に共有され、日本の人々が、憲法9条を国民投票で改めて選びなおすこと。

これは必ず、分断された朝鮮半島や、民主化の熱を内に抱える中国、中国と緊張関係にあるインド、そして中印に挟まれたチベットの人々に希望を与え、ひいては世界の平和に貢献する。

「西洋文明は戦争と環境問題をもたらし、それにより自滅の道を歩んでいる。」
「ある問題を引き起こした同じマインドセットで、その問題を解決することはできない。」

これら先人の言葉を踏まえ、正木さんは以下のように語る。
・環境問題は、東洋文明に底流するNative Mindが解決のカギとなる。
・戦争問題も、日本の憲法9条を有する北東アジアがカギになるだろう。

考え込んで動けなくなるより、想いを実現するために、小さくてもやれることをやっていく~夢を熱く語る一方で、着実に歩を進めていく正木さんの話は、「前を向き、歩き出そう」という希望をもたらしてくれた。