「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

原発!見学!

2009年08月11日 | Slow Life
原子力発電所を見る機会があったので、福島第二原発へ行ってみた。六ケ所村の再処理工場は訪れたことがあるが、稼働中の原発の見学は初めて。

まずは、福島県の富岡町の市街地にあるエネルギー館へ。ここは、「怖い」というイメージをもたれる原発のことを少しでも多くの人に知ってもらうために、と東電がわざわざ市街地のど真ん中に建てたPR施設。

外観は、おとぎ話に出てくる洋館のよう、しかも中に入ると、なぜかとなりのトトロのキャラクターショップや、子どもの遊び場が完備され、子どもを連れてとにかく来て親しんでもらおうという「胡散臭さ」が見え隠れする。もちろん、原発の仕組みや模型があって、きちんとPRもしている。

次に、バスに10分ほど乗って、いよいよ原発敷地内へ。中に入るのに厳重な身分証チェックがあるほか、放射線管理区域に入るには、入出所管理や放射線対策のためのセキュリティゲートをいくつも通る。さらに、防護服は着ないまでも、専用の靴や手袋を装着し、万が一にも放射能を付着させて外部に出すことがないようにしている。まるでTVで見た映画の世界。

そして、いよいよエレベーターで地上40m程度の6Fに到着。ここは、現在稼働中の原子炉の真上。といっても、厚さ1.7mの鋼鉄の原子炉内壁と、さらに厚さ2m近くの遮蔽用コンクリートに隔てられているので、被爆の心配はないらしい。

(PR施設にある、原子炉模型とウラン鉱石。この原子炉のてっぺんに登った。)
また、未使用、一部使用済みの燃料棒を冷やすプールも見学。透き通った純水の底には、これから投入される、または一定期間投入された燃料棒が大量に沈められているのが間近に見える。

水の放射能遮蔽力が強いので、数メートル下に沈めておけば「表面で泳いでも安全です」といっていた。(じゃ、泳いでみてよ、と言いたかったけど)

そういえば、原子炉冷却のために使って温かくなった水を海洋中に放出しているが、案内の女性は、
「その放出口の周辺は、温度が周りの海水より高いからプランクトンが多く、魚がよく釣れるみたいです。でも、原発敷地内なので誰も釣りできませんが。」と言っていたっけ。あなたはそこで釣れた魚食べますか、と聞きたかった。

その後、所長以下、東電の施設幹部と話をした際、以下のような話がありました。

・エネルギー自給率やコスト、温暖化対策等を考えると、原発は日本に不可欠。
・でも、その利点を電力会社自身からは声高に言わないようにしている。
(それでも、やはり一般的には、原発の良い面ばかりが宣伝され、ウラン鉱山周辺の環境影響、海水への高温排水の問題、核のゴミ問題などのマイナス面については、会社としての情報発信が不十分なのでは?、と私が質問したところ、

・PRが十分ではないというご批判が一部にあることも謙虚に受け止め、違う意見の団体とも積極的に対話してゆきたい、とのこと。

印象的だったのは、「やはり将来を考えると、日本の初来に原発は不可欠と個人的に信じる」と多くの幹部が答えていたこと。まあ、立場上、そう答えるとは思うけどね。