「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

白神山地①

2006年08月09日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
JUON NETWORKS のイベントで待望の白神山地に行ってきた。
朝東京を出て、はるばる電車とバスを乗り継ぎ、夕方現地の白神ぶなっこ教室 の宿舎に入る。
ここは、廃校になって取り壊される町立小学校の校舎を有志で譲り受け、
自然体験プログラムを企画しており、今回そのお一人の斉藤さんがガイドをしてくださる。

ミズ(地元の山菜)の和え物、だまっこもち(ご飯を固めたもの)の汁、岩魚など、地元の食材が並んだ夕飯をいただきながら、スライドを交えて白神山地の解説を事前に伺う。

白神山地は、1982年に青秋林道を作る計画が持ち上がった際、地元で水が枯れたことから反対が強まり、結果としてブナの保水力や生態系の豊かさが見直され、工事は92年に中止となり、翌年に世界遺産に登録されたとの事。

当時、地元に仕事をもたらす国家的公共工事として計画された青秋林道に異を唱えたのは、秋田県側では一つの町だけだったらしく、その町は県の補助金が停められたり、たいへんだったらしい。世界遺産に登録された途端、他の自治体も「貴重な世界遺産を守ろう」と声を上げるのは、反対した自治体にとっては面白くないだろう。

また、ブナの保水力や豊かな生態系が見直されたり、無駄な林道工事に歯止めをかけようというのも、青秋林道の反対運動がきっかけとなったとのこと。このあたりはこれを機会に文献などを読んで深く調べてみたいと思う。

そのような背景の話を聞き、美しい四季の森林風景のスライドを見たり、厳しい自然を生き抜き、次の世代へ子孫を遺す動植物の仕組みを分かりやすく解説し、 「自然とは、ものすごい生き物達が集まっているところ」と愛着を込めて語る斉藤さんの話を聞くにつけ、白神山地を歩くことへの期待が高まる。