「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

上勝町を訪れた②

2006年02月21日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
電話も冷蔵庫もガスもない生活をするオサムさんを訪ねる。
ネパール帰りの中村さんは、薪で沸かしたお茶を囲炉裏端で
すすり、香辛料を石で挽いてカレーを作り、版画をして一日を過ごす。
禁欲的な自給自足の隠居生活をしている訳ではなく、
ひたすらそれらの時間を楽しむために、
シンプルに暮らしている。たまに訪問者がいれば、
もちろんアポ無しだが、ゆっくりと一緒にお茶をたのしむ。

カネのために働くのが忙しく、家事などは少しでも
手早く終えようとする私達の暮らしとは対極の、
生活そのものに時間を掛け、たのしむ毎日。
そんなオサムさんの暮らしには、
我々が日々接する時間やお金の価値では計れない、
のんびりと濃密で、心穏やかな時間が流れていた。

こだわりを持って棚田を守るおじさん、
郷土料理を丁寧に説明してくれたおばさん、
地域の自然を活かして人との交流に前向きに取り組む人々等、
とにかく町の人一人一人が活き活きとしているというのが
上勝の一番の印象。

皆、身近なところで自分のできることをたのしみながら
やっているうえ、オープンに人と想いをシェアしようと
してくれる。その姿勢がとても刺激的。

一見何もない、辺鄙な町を訪れたら、
身近な自然の中で日々の暮らしを「ゆっくり」と
たのしんでいる人々に出会い、
もう一つの豊かさへのヒントと元気をもらった気がした。

上勝町を訪れた①

2006年02月21日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
環境への取り組みや、お年寄りが和食のつまものを出荷する
「彩り事業」で有名な徳島県上勝町を訪れた。

今や、ゴミの34分別や元気なお年寄り達の取り組みを視察に全国から視察が訪れ、
また若者が短期間町の農家等を訪れてお手伝いをするワーキングホリデイ制度は
空きを待つ人がいるほどの人気らしい。

川魚の甘露煮、棚田米ときびのおむすび、手作りこんにゃくなど
地のモノを活かした郷土料理で腹ごしらえしたあとは、
34種類の分別を行っているゴミステーションを見学。
山奥に民家が点在するこの街では、ゴミ収集車を走らせても効率が悪いので、
一箇所の集積場に人々が分別したゴミを持ち込む。
こうなると、人々としてもなるべくゴミを減らそうとする。
(殆どの家庭にコンポストがあり、生ゴミは家庭で処理されるらしい。)

ゴミステーションには、なぜここまで細かく分別するか、
また捨てたものがどのようにリサイクルされるか納得できるよう、
分かりやすく示されているほか、
分別の仕方を教えてくれる管理の方も常駐している。

もちろん、「なぜこんなに手間をかけないといけないのか」と反発する向きや、
ルールを守らない人もいる中で、いかに人々の意識を盛り上げていくか、
さまざまな工夫を凝らしているようだ。

次に、葉っぱを組織的に料亭へ出荷する「彩り事業」の方々のお話を伺う。
平均68歳、約170人のお年寄りが、山へ入ったり、畑で木育てたりして、
青もみじ、ふきのとう、梅の小枝など、和食のつまものとして添えられる、
季節の風物詩を出荷している。おかげで、お年寄りは元気になる、
山や畑が整備される、所得が高まるなどいいことづくめだという。

何よりも印象的だったのは、取り組む人たちが、
「身近な自然や季節に敏感になったし、仲間とワイワイやりながら、
 季節感を先取りして人々に提供できるのが楽しい。」
と本当にいきいきと話してくれたこと。
こんな笑顔を見ると、こちらもワクワクしてくる。