ブルーシャムロック

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潮風のメモリー_1

2013-10-11 17:06:37 | 潮風の櫻
2013年7月、宮城県松島基地。
ここの基地に所属する隊員は、なかなか明けない梅雨にヤキモキしていた。
「東北でもこの梅雨は異常だ。このまえの地震と津波の被害に対して次は集中豪雨
に警戒しないといけない。恐らく我々が災害派遣に参加することになるだろう。」
ヘリコプターの整備主任がそうつぶやいた。
「そうですね。」
空井と名乗る1尉が頷く。
彼は、ここの広報を担当している。
「まぁ、半年前日売テレビの取材をプッシュしたのは、広報の人間たちだったよな。
あのときの地震の時の我々の困難が分かったんで、みんな納得してくれたかもしれないね。」
と、自分の担当を整備していた。
みな、あの取材に対しては基地内では賛否両論だった。
しかし、今の状況をわかってくれた方が、救助に来てくれない自衛隊や警察の
状況を分からせるには、丁度よかった。
この取材の時も、余震が相次いでいた。
そこにCameraに映し出されていた物は、それに屈さない隊員たちだった。
他の人間にも、別な部署が再開したところを伝えたときがあった。
「災害に屈さない俺たちのことを、テレビに見せたのは、俺たちHelicopterの
運用スタッフにも励みになる。ここらへん近辺で豪雨による災害が起きたら
俺たちが行く。近くの自衛隊の人がやってきてくれたと安心するから。
このまえの地震の時、電車を急いで止めた運轉手を救助できた可能性があったかもな」
整備主任は言う。
「そのときは僕たち、広報部がprするんで。」
空井はほほえんだ。
つづく

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