ブルーシャムロック

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出来杉を憎むのをやめた日

2018-06-08 11:13:40 | 逆襲の藤隆
「しばふ村へのバカンスはドウでしたか?」
私は共同研究家の男に聞いた。
「ああ。」
男は一言言った。
「まあ、ずっと頭にあった出来杉のことを考えた。出来杉はこれまで抑えられていた
敵対する生き物への火をつけてしまったことを考えるようになるだろう。」
と、グルジア産の紅茶を口にした。
「でも、あなたは出来杉を憎んでいたんでしょう?」
私は、男に話す。
「うん。私が出来杉を憎まないのは、正面からあの男に衝突すると勝てないから
あの男の力を出すだけだして、どううまくかわすかという事だからだ。」
男はそう口にする。
以前調査した時、いま正面で目にしている男の出来杉への憎しみと、彼になびいた女性への憎しみは
計り知れないとは言っていたけれども、なんだか落ち着いている。
「悔しいけれども、前を向くしか無いのかも。彼女と結婚できなくても。今私は幸せだ。」
男はまた紅茶を口にしながら答えた。
彼の考えている事は全くわからないままだろう。