ブルーシャムロック

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雷門の下で

2016-08-09 19:24:26 | 信・どんど晴れ
中学の修学旅行で浅草の雷門の下に来た時、横手淡雪はぞっとした。
「進学や就職のために東京に来たら、ここにすまざるを得ないのかな。」
偏見かもしれないけれども、雷門のある東京下町は、東北の人間と
相性がよく、彼らに都合のいい東北感を皆に振りまいているようだ。
上野駅が秋田を含めた東北にすぐ行ける状況もあってここにとどまってしまう
ようだ。
居心地の良さを誰かに利用されるぐらいならば、こんなところには住むものか。
みんな嬉しそうに雷門を見るのを見て、淡雪は悲しくなった。
やがて淡雪は高校進学、そして高校を卒業して大学を受験する事になった。
 秋田市内の予備校、
「横手、大船のxx女子大でいいんだな。併願は仙台と札幌の学校か。
まあ、ここがいいなら頑張りなさい。」
と予備校の教師は言う。
「そうですね。自分なりの決意があってここにしましたから悔いもありません。
そして、合格もありそうな気がしてなりません。」
淡雪はそう言い放った。
試験会場は、大船だった。
「ここに入ってやる。」
そして、見事合格。
秋田から神奈川県に行く事になった。
何故かROOMMATEといい、クラスメートに上方訛りともいう言葉が飛び交っている。
カラオケでPerfumeと、浜田省吾とポルノグラフィティが流れて、沖縄出身の
歌手の歌も繰り出す。これが現実なんだ。だが、それがいい。
クラスメートがそういった地域の出身だからだ。
「平松愛理って横手さんだよね。」
さっき広島出身の歌手を歌いまくっていた松山出身の女性だ。
母方が広島市出身で、いつも京都出身の女性とお好み焼きのことで喧嘩している。
いいことなのか、横手淡雪にはいつも難しく考えるけれども。
コメント
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