ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

雨のスパニョレッタ

2010-03-25 20:31:00 | 逆襲の藤隆
今日は三月だというのに雨が降っている。
そろそろ櫻だというのに。
「ふんふふんふんふーんふふん。」
知世は、雨が降るといつもこのバロックだかルネサンス風の唄を口ずさむ。
「何の曲だっけ?」
「たしか・・・。イタリアのなんとかとかいう作曲家の唄で・・・。」
知世は僕にそう言った。
「ねぇ、蓮次君?」
知世は甘えるように僕に聞いた
「雨の日ってどう思う?」
知世はまたも続けた。
「今日もそうだけれども、雨が振るとね・・・。」
僕はそう答えた
「でも、雨が歌っている感じがする・・・。」
知世は愁いを帯びた顔で笑った・・・。
この愁いを帯びた顔が一番好きだったりする・・。
おわり