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1種類だけじゃなかった。最強の電気を放つ種から最弱の種まで、奥深いデンキウナギの世界。

2019年09月25日 | 世界びっくりニュース
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Image by wrangel/iStock

 南アメリカのアマゾン川、オリノコ川の淡水域には、まるでスタンガンかのように生体発電で獲物を麻痺させる生き物が潜んでいる。にょろっとした長い体のデンキウナギである。

 1766年、スウェーデンの動物学者カール・フォン・リンネによって初めてデンキウナギ(Electrophorus electricus)が特定されると、そのショッキングな特性はすぐさま様々な人たちの想像力を大いに刺激した。

 これまで、デンキウナギ属(Electrophorus)は1属1種のみが分類されていたが、最近の研究によると、新たに2種のデンキウナギが紹介された。

 その種類によって電気の強さは異なるという。ここでは奥深きデンキウナギの世界を見ていこう。

1種しかいないと考えられていたデンキウナギ属に3種が確認


 これまで約250年の間、デンキウナギ属には1種しかいないと考えられてきた。しかし、つい先日、状況が一変した。

 『Nature Communications』(9月10日付)に掲載された研究によって、新たにElectrophorus voltaiとElectrophorus variiの2種が紹介されたからだ。

 それによると、遺伝子、形態、生態に関するデータを集め、分析を進めたところ、大アマゾンに3種の別個の系統が存在することが明らかになったとのこと。

 ただし外見的には、頭部とエラの微妙な形状からしかその違いを知ることができないそうだ。

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Image by MagicColors/iStock

デンキウナギはウナギにあらず


 ひとつ大切なことは、デンキウナギはウナギのような形をしているが、ウナギではないということだ。和名に「ウナギ」が入っており、体形は細長い円筒形であるが、ウナギとは体の構造や生活史が異なり、全く別の仲間に分類されている。

 成魚は全長2.5mに達し、滑らかで灰色っぽい平らな体や歯のない口を持つデンキウナギは、「デンキウナギ目ギュムノートゥス科デンキウナギ属」(デンキウナギ科を設ける説もある)に分類され、ウナギよりもナマズに近いとされる。

 だが、獲物を仕留めるほどの強烈な発電をするデンキウナギ属はギュムノートゥス科で唯一の種だ。


Electric eels leap to shock predator


種によって異なる電気の強さ


 新たに発見されたElectrophorus voltaiは、史上最強の電撃を放つ。従来知られていたデンキウナギが放つ電気は650ボルトだが、E. voltaiは860ボルトをバチバチと発生させることができる。

 ちなみに家庭用のコンセントは100ボルトだが、それでもそこにフォークを突っ込んでみようなどバカなことをする人はいないだろう(絶対やっちゃダメ!)。860ボルトの電撃がどれほどの威力なのか想像できるというものだ。

 しかも、おそらく860ボルトはデンキウナギの限界というわけではない。今回の研究では107匹が試されただけだが、体が長い個体ほどより強力な電気を放てることがわかっている。今回は捕獲されなかった特大のE. voltaiなら、きっとそれを上回る放電をするに違いない。

 3番目の種となるElectrophorus variiは、文字通りの電気ショックという点で、研究者にとってそれほどショックではなかった。だが、その理由は興味深いものだ。

 この種は濁った低地の水の中に潜んでいる。こうした生息環境では、ミネラルがたっぷり含まれているおかげで、電気が伝わりやすい。つまり、より少ない発電で同じだけの電気ショックを獲物に与えられる。

 E. variiとは反対に、ほとんどのE. voltaiの場合、従来のデンキウナギよりも若干、伝導性の低いところで暮らしている。彼らが強烈な電撃を放つのはつまりそれが理由なのかもしれない。

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Image by University of Sao Paulo Zoology Museum

デンキウナギの全容解明はこれから


 これは始まりに過ぎない。研究チームは、最先端の技術を駆使して、南アメリカに存在するすべてのデンキウナギを探し出そうとしている。

 2種の新種はこの5年がかりのプロジェクトの1年目にして発見された。このペースなら、これからもどんどん未知のデンキウナギが発見されると期待できるだろう。

 これまで冒険家や学者たちが地球上に存在するありとあらゆる生物を記述しようと試みてきたが、目の前に存在する種ですら完全な理解には程遠い。一度捜索が始まれば、いったいどれだけの発見があるのか想像もつかないのだ。

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Image by stacey_newman/iStock

危惧される絶滅


 だが、研究者が最先端技術を手に入れた一方、残された時間は少ないかもしれない。南アメリカで進む急激な開発のために、生物が暮らしている環境は危機に直面しているからだ。

 毎年、数多くの新種が発見されているが、同時に多くの種が姿を消している。そして、そうした今起きている絶滅のほとんどは人間の活動に起因している。

 「これについて私たちは大きな責任を負っていると思います」と米コーネル大学のケーシー・ディルマン氏は話す。

 デンキウナギが絶滅してしまう危険は今のところないが、言うまでもなくアマゾンでは数多くの生物が暮らしている。

 そこに存在する生物多様性を完全に理解することなく、人間のうかつな開発が生態系に与える影響を把握することはできない。

 効果的かつ効率的な保全を行うためにも、私たちは一刻も早く、豊かな生態系の複雑なパズルを解きほぐさねばならないのだ。

References:nature / smithsonian-scientists/

☆うなぎと違うんかいな・・・!

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