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お酒を飲むと新型コロナの感染リスクが高まる4つの理由(アメリカ)

2020年09月21日 | 世界びっくりニュース
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飲酒が免疫系を弱くする
飲酒が免疫系を弱くする/iStock

 長い梅雨が明けて、夏すぎるくらい夏の猛暑日が続いている。いつもならキンキンに冷えたビールをグイッとやるのがたまらない季節だ。

 だが、今年は新型コロナという不測の事態が起きている。自粛生活のストレスで、このところお酒の量が増えているというのなら、ちょっと考えてほしい。

 お酒の飲み過ぎが健康に悪影響を及ぼすことはご存知だろうが、こと新型コロナウイルスについて言うと、免疫系が弱くなって感染しやすくなるだけでなく、深刻な合併症を発症するリスクまでも高くなるのだそうだ。

 このパンデミックの最中、お酒すらも多少の警戒心を持って飲まなければいけない理由を、アメリカのK Healthのエド・パス医師とOrigins of Healthのトム・ムーアクロフト医師が説明している。

 お酒を飲むと新型コロナウイルスの感染リスクが高まる理由は以下のとおりだ。

1. お酒は免疫を弱くする


 アルコールと新型コロナに感染するリスクを取り扱った研究は特にないが、それが免疫系に与える影響ならよく知られている。

 免疫系は私たちの体を外部の病原菌やウイルスから守ってくれる大切な防衛メカニズムだ。それなのにアルコール摂取はたとえ少量であろうとも免疫系を弱くする。

 体内にアルコールが残っているときに新型コロナウイルスと遭遇したとしよう。そのとき、免疫系がウイルスと戦う力はぐっと低下している。免疫系が即座に対応する力は損なわれ、ウイルスはその攻撃に耐えやすくなる。当然、感染症にもかかりやすくなる。

アルコールによる免疫の低下
iStock

2. 腸内細菌が変化


 アルコールによって腸内細菌叢が変わってしまう点も問題だ。これもまた免疫を弱体化させることになる。

 普段は腸の働きを助けている腸内細菌だが、その構成が変わってしまうと、腸壁の細胞にダメージを与えることもある。すると、そこから細菌が血流にもれて、炎症の原因になってしまう。

アルコールによる腸内細菌の変化
iStock

3. 危険な合併症のリスク増大


 新型コロナの合併症の1つに、「急性呼吸促迫症候群(ARDS)」がある。これは肺の中を液体が満たしてしまう症状で、つまりは溺れているのと同じような状態になる。死にいたる危険があり、助かったとしても肺にひどい損傷を残しかねない。

 長期的な過度のアルコールの摂取は急性呼吸促迫症候群になるリスクを高めると、WHO(PDFファイル)は注意をうながしている。

 その原因は、肺の免疫細胞が損なわれ、肺の表面にある細胞が直接ダメージを受けることだと考えられる。そのために肺が感染症に弱くなってしまうのだ。

アルコールによる合併症のリスク
iStock

4. お酒が睡眠の質を下げる


 睡眠は、健康全般のみならず、免疫系にとっても重要だ。睡眠不足になると、炎症や感染症と戦うために必要なタンパク質が減少するため、病気にかかりやすくなる。

 じつはお酒は睡眠の質を下げる。その原因の1つは、アルコールが「γ-アミノ酪酸」に影響することだ。これはGABAとして知られる神経伝達物質で、1日を通じて少しずつ溜まっていく。私たちが眠くなるのはそれがピークに達したときだ。だから夜は眠いのだ。

 ところが、アルコールにはGABAを人工的にブーストする効果がある。だからお酒を飲んでしばらくすると眠くなるのだが、困ったことにアルコールは自然なGABAの蓄積を阻害してもいる。

 アルコールが影響が消え去ったとき、それまでのGABAブースト効果も消えてしまう。結果として、体内のGABAが不足してしまい、なかなか眠れなくなってしまう。

 お酒が睡眠の質を下げるもう1つの理由は、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」を減らしてしまうからだ。アメリカでは、よく眠れるようメラトニンが配合されたサプリが販売されているが、アルコールはそれと逆の作用をする。

 またメラトニンには、新型コロナ感染症の治療を助ける効果があると期待されており、現在その評価が行われているところだ。抗炎症剤として作用するのだが、アルコールはその分泌を邪魔してしまうので、炎症を引き起こしやすくなる。

アルコールによる睡眠の質の低下
Pixabay

まとめ. 飲酒はどのくらいまでならOK?


 まず知っておいて欲しいのは、どんな量のお酒であっても、それがアルコールである以上、大なり小なり体は影響を受けるということだ。そしてもちろん、飲めば飲むほど、免疫系への悪影響は強まる。

 1日に1、2杯以上お酒を飲めば、心疾患、がん、免疫不全、精神疾患など、さまざまな健康リスクが高まる。免疫系をベストの状態で保っておきたいのなら、一滴も飲まないのが正解だ。だが飲まないことでストレスがたまると心の健康を損ねてしまう恐れがある。飲むにしても、できるだけ少ないに越したことはないそうだ。

References:ncbi / brainworldmagazine / thelancet / cnet/

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