保健福祉の現場から

感じるままに

自宅死亡とコロナ第5波の教訓

2024年09月11日 | Weblog
R6.9.11時事「自宅でのみとり急増 緊急事態宣言境に、終末期医療も―受診控え、面会制限影響か・慈恵医大など」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2024091100117&g=soc)で「厚生労働省のデータベース「NDB」で2019年4月~22年3月の在宅医療サービスの利用状況を分析し、訪問診療、往診、終末期医療、自宅でのみとりの変化を調べた」と、レセプト情報(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/index_13914.html)の3年間の分析であり、コロナの病原性が比較的高かった第4波、第5波の頃が含まれていることは認識したい。そういえば、R6.6.13ハフポスト「コロナ禍、冷酷だった小池都政を振り返る」(https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_666a1a0be4b076909e1d0037)では2021年のコロナ第5波の状況が克明に記されているが、当時、R3.9.7NHK「“第5波”若い世代の死者増加 東京8月は最も高い割合に…」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210907/k10013247861000.html)と報じられている。「死亡診断書(死体検案書)の情報を用いたCOVID-19関連死亡数の分析」(https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/00001.html)は令和5年4月から公表されているが、後世の検証のためにも令和2年からに遡ることはできないであろうか。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00424.html)のR3.10.20資料2-3(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000845983.pdf)p46「警察庁新型コロナウィルス陽性死体取扱い状況(令和3年4月~9月)」では8月は東京、神奈川、埼玉、大阪、千葉が多く、比較的若い世代も少なくないが、重症化リスク因子評価、重症度評価が適切に行われたか問われるかもしれない。当時、早期に専門医療機関につながれていれば、R5.8.21「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/001136720.pdf)p37「レムデシビル(ベクルリー®) 2020.5.7特例承認,2021.1.7適応拡大,2021.8.12保険適用」、p47「カシリビマブ/イムデビマブ(ロナプリーブ®) 2021.7.19特例承認」による早期治療が期待されたであろう。R3.10.20資料2-3(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000845983.pdf)p46「警察庁新型コロナウィルス陽性死体取扱い状況(令和3年4月~9月)」の地域格差が大きいことも少々気にならないではない。当時、R3.8.30NHK「新型コロナで自宅療養中の女性死亡 死後3日か 千葉 柏」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210830/k10013232981000.html)、R6.8.31NHK「自宅療養60代男性死亡10日以上電話応答なく 発見は死後2日か」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013235971000.html)、R6.8.31朝日「保健所が連絡見落とす 静岡で自宅療養者1人死亡」(https://www.asahi.com/articles/ASP806G4DP80UTPB00X.html)、R6.8.31テレ朝「1人で療養中の40代男性死亡 保健所が対応打ち切り」(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000227314.html)、R6.9.6NHK「保健所の健康確認2週間行われず コロナ感染50代男性死亡 埼玉」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210906/k10013247521000.html)、R3.9.9読売「自宅療養の男性2人死亡で県が謝罪…保健所「忙しくて訪問できず」、情報共有漏れも」(https://www.yomiuri.co.jp/national/20210909-OYT1T50224/)などが報じられていたが、第5波の教訓は活かされるであろうか。昨年のR5.7.31神奈川県「新型コロナウイルス感染症神奈川県対応記録(保健医療編)」(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/covid19/archive/records.html)に関して、R5.8.15東京新聞「<新型コロナ>神奈川県、政策検証の報告書 自己評価の甘さが露呈 死亡原因の記述わずか」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/270196)で「県内でも相次いだ自宅・宿泊施設療養者の死亡に関し、原因や再発防止策の記述はわずか。」「外来診療を受けられない患者が続出したことなど、取り上げられていない問題も多い。」と一部批判されていたが、R6.1.26神奈川県「新型コロナウイルス感染症 神奈川県対応記録をとりまとめました」(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/sokuseki.html)について、R6.1.28東京「<新型コロナ>神奈川県が対応記録作成 5類移行前の反省点…次代に」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/305715)と好意的に報じられている。やはり、後世にしっかり記録を残すことに意義がある。そういえば、R3.9.24AERA「尾身理事長の医療法人がコロナ補助金などで311億円以上の収益増、有価証券運用は130億円も増加」(https://dot.asahi.com/dot/2021092400012.html)のほか、R4.12.21産経「防衛財源へ746億円返納を決定 コロナ対策剰余金」(https://www.sankei.com/article/20221221-PYGWTVFTRNKGHNQFQITC3CAC5U/)で「独立行政法人は国立病院機構(NHO)と地域医療機能推進機構(JCHO)。コロナ対策の病床確保などのための補助金が増え、2法人の剰余金は2021年度時点で計1494億円だった。」とあったが、わが国で、かかりつけ医療機関による外来や施設内でのコロナ早期診断・治療を推進できなかった何か特別な理由でも存在したのであろうか。感染症部会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127717.html)のR6.7.17「新型インフルエンザ等対策政府行動計画ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41225.html)について、R6.7.17CBnews「感染症有事の対応、「病床確保」だけでは不十分  厚科審でガイドライン案めぐり議論」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20240717182401)が報じられており、病床確保のためには医療従事者の確保が不可欠である。しかし、R5.10.5日医総研「コロナ禍における欧州の医療の実態(その2)」(https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011343.html)、R5.12.12JBpress「医療逼迫に陥った日本の教訓、コロナ医療が機能したドイツと崩壊した英国の差 大規模な欧州現地調査に携わった森井医師「日本の議論は本質を外している」」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78344)をみるとそれだけではないことがわかる。はたして政府行動計画(https://www.caicm.go.jp/action/plan/index.html)は機能するであろうか。その前に「過去の新型インフルエンザ対策行動計画」(https://www.caicm.go.jp/action/plan/keikaku_archive.html)は2020年からのコロナ対策でどれほど役立ったのであろうか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 不正のトライアングル | トップ | 周産期医療体制 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事