「感染症法に基づく医師の届出」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html)では「腸管出血性大腸菌感染症」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-03-03.html)(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/ehec.html)は3類感染症であり、感染症疫学センター(https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc.html)の「IDWR速報データ」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html)の全数報告では、R6.8.14上毛新聞「腸管出血性大腸菌 群馬県内で88人が感染 2024年は過去20年で2番目の多さ」(https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/514775)、R6.8.15南日本新聞「鹿屋市の1歳女児が腸管出血性大腸菌O103に感染 同じ施設で3人目」(https://373news.com/_news/storyid/199678/)のように、届出が増えている県がみられる。R6.7.4AERA「味付け「冷やしキュウリ」にO157が大増殖するメカニズム100本中1本でアウト「食中毒」のコワい実態」(https://dot.asahi.com/articles/-/226889)が出ているように、食中毒疑いで届出(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/iryou/index.html)されることも少なくない。厚労省「腸管出血性大腸菌O157等による食中毒」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/daichoukin.html)の更新がしばらく途絶えているが、「冷やしキュウリによる腸管出血性大腸菌O157食中毒」(https://www.niph.go.jp/h-crisis/archives/84326/)(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000078249.pdf)は掲載されないのであろうか。食中毒調査支援システム(NESFD)ではパルスネット(http://www.nih.go.jp/niid/ja/ehec-m/2055-bac1/related/713-ehec-bac1-pulsenet.html)の結果が随時公表されており、全国ネットでの疫学調査の強化・充実との連動が必要であろう。なお、R5.10.13Web医事新報「腸管出血性大腸菌感染症[私の治療]」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=22900)の「2~20%の患者は重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS)を合併し,急性期死亡率は約2~5%に及ぶ。死因は脳症,心不全,消化管穿孔等が多い。」 とある。日本腎臓学会「HUSの診断・治療ガイドライン」(https://jsn.or.jp/academicinfo/hus2013.php)は知られているであろうが、急性脳症治療は万全であろうか。R6.8.30Web医事新報「腸管出血性大腸菌感染症[私の治療]」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=24949)では「HUSを発症した場合に,痙攣,意識障害,脳症を合併することがあり,小児や高齢者では,死亡する可能性が青壮年に比べて高くなる。」とある。以前のユッケ事件(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tz2.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tzb.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tzk.pdf)では「今回の事件では、HUS発症者、脳症発症者が高い割合で発生し、うち5名が死亡(10歳未満2、10代1、40代1、70歳以上1)している。いずれも急性脳症を発症し死亡したと考えられ、他にも昏睡など中枢神経症状を発症した患者がいた。」とある。臨床現場において溶血性尿毒症症候群(HUS)はともかく、腸管出血性大腸菌による急性脳症はどれほど認識されているであろうか。
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