保健福祉の現場から

感じるままに

腸管出血性大腸菌感染症による集団食中毒事件

2011年05月10日 | Weblog
北日本新聞「若者に被害集中 えびす食中毒」(http://webun.jp/news/A100/knpnews/20110510/38328)。

今回の腸管出血性大腸菌感染症による集団食中毒事件はHUSの発症率が非常に高い。しかも子どもや老人だけではない。若者に被害集中しているのは、その年代がユッケを好んでいたことによるかもしれないが、それにしても従来の理解と異なる。O111によるHUSだけでも珍しいが、そんなレベルではない感じがする方が少なくないかもしれない。ところで、「一次、二次医療機関のための腸管出血性大腸菌(O157等)感染症治療の手引き」(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/03.html)が平成9年以降、改訂されていないが、最近の知見を踏まえて、至急改訂されるとともに、HUSの緊急治療体制の強化が図られるべきである。現場ではリコモジュリン(http://www.recomodulin.com/)の確保が課題になっているようである。
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運動不足は乳がんリスク

2011年05月10日 | Weblog
国立がん研究センターが余暇運動と乳がんに関しての多目的コホート研究(JPHC研究)を発表している(http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2600.html)。平均約14.5年間の追跡期間中に、53,576人中、652人に乳がんの発生を確認され、余暇運動の参加が「月3回以内の群」に比べて「週3日以上の群」では、乳がんリスクが0.73倍低いこと、BMI25以上のグル-プでは、余暇運動の参加頻度が「月3回以内の群」に比べて「週1回以上の群」では、乳がんリスクが統計学的に有意に0.65倍低いことなどがわかったという。乳がんリスク(http://pinkribbon.goo.ne.jp/kiso/04_1.html)には、未出産、肥満、動物性脂肪食などがあるが、運動不足も追加したい。そういえば、運動習慣は、特定健診の問診項目の一つである。2月3日の市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会資料(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226502959300)には、運動習慣をはじめ、食習慣や飲酒等について、地域間比較が出ている。特定健診は「全国標準様式での電子データ管理」であり、健康増進計画にもぜひ活用すべきである。ところで、今回の多目的コホート研究(JPHC研究)は国立がん研究センターが全国10保健所とのネットワークで実施されたものであるが、地域保健現場における大規模疫学研究の一つのスタイルであろう。偏ったフィールドでない点が魅力かもしれない。
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