友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

初恋は幼稚園の時だった

2017年11月25日 17時25分42秒 | Weblog

  私の初恋は幼稚園の時で、その子の家まで後をつけたから、小さい時から相当のストーカーだった。同じクラスだったが、当時は男の子と女の子が接する雰囲気はなく、内気だったからか一度も話したことが無かった。ただ、可愛いなと眺めていただけだった。

 中学校は3つの小学校が集まった学校だった。私が通った小学校は明治の初めに開設された古い学校で、在学中に創立100年を迎えたと記憶している。他の2校は戦後にできた学校だったが、中学校では私の卒業した小学校よりも成績の良い子が多かった。

 1年の時、私は級長を命じられたから、クラス全体を眺める機会が多く、他の小学校から来たちょっと変わった女の子が気になった。明るくて、よくはしゃぎ、落ち着がなく、トンチンカンだった。体育の時間に整列して行進しているのに、なぜか突然笑い出し、先生が怒って「何がおかしい」と叱っているのに、「だって、おかしいもん」とヘラヘラ笑う変わった子だった。

 1年が終わる時、お別れ会を企画し、先生と7・8人で電車に乗って出かけた。私は母から「男はジェントルマンであれ」と教えられてきたので、彼女の荷物を持ち、座席を確保して女の子を優先して座らせた。彼女も充分楽しかったようだったので、帰り際に「電話していい?」と聞いた。えっ、という顔をしたがすぐ、「いいよ」と言うので、電話を掛けた。胸がドキドキして多分顔は真っ赤だったと思う。

 「友だちになって」と言ったと思う。それで私は充分だった。時々、靴箱に彼女からの小さな紙切れが入っていた。2年、3年とクラスが違ったので、話す機会はなかった。3年の時、無理やり放送部に入れ、彼女のために放送劇のシナリオも書いたが実現できなかった。色白で、目がパチっとしていて、小さくて可愛かった。あの子はボクの初恋の人。それで充分だった。

 高校3年の冬、初めて友だちの家から一緒に帰った。ふたりだけで街を歩くことも話すこともなかったから、私は有頂天だった。その時、彼女が「あなたは私ではなく、あなたが描いた私が好きなのよ」と別れを告げられた。えっ、どうして?何が?なぜ?私は一瞬何も見えなくなってしまった。


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