友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「持ちつ持たれつ」は美徳なのか悪徳なのか

2024年07月21日 17時16分30秒 | Weblog

 NHKテレビの朝ドラ『虎と翼』の主人公が新潟に赴任した時、地元の有力者から「持ちつ持たれつでやっていきましょう」と言われた。日本人が持つ伝統の「和」であり、美談として語り継いできた精神である。

 人にお願いする時は手土産を持って行くし、こじれた話を解決するためには双方が利益になるように計らう。大企業も個人もそんな風にしてきたから、それが問題になるとは思って来なかったのだろう。東京五輪を担当した電通も、きっとそんな思いだっただろう。

 北海道で自民党の国会議員が、事務所の者に香典を届けさせて、公選法違反で家宅捜査を受けた。葬儀に参列することや、地域の祭りや行事に参加することは、政治家の重大な業務とみなされている。私も議員の時、地元の祭りに「なんで祝儀を持って来んのだ」と、役員さんに叱られたことがある。

 人々も当然だと思っているから、それを行わなければ悪評が撒き散らされる。自民党の支持者は幅広く存在しているから、そういう人たちの支持を食い止めておくのはきっと大変なことだろう。金はいくらでも要るし、使い道もいくらでもある。裏金問題がいつの間にか立ち消えてしまったのも、金の壺を無くすわけにはいかないからだろう。

 株式会社のような法人は、内部監査が厳しく行われていると思われるが、それでも役員会すらも開かれていない会社がある。まして福祉法人とかNPO法人になると、役職を身内で固めているケースが多いから、金の動きが見えない。「みんなで仲良くやっていきましょう」と呼びかけられ、波紋を起こすことが許されない。

 私たちは、会社があるいは団体が、利益を上げることで報酬を手に入れ生活している。「持ちつ持たれつ」の美徳が、社会を潤しているのか、それとも美徳の名の下に利益を独り占めしている悪徳漢を見逃しているのか、どうなんだろうか。

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