すっかり春の陽気になった。ルーフバルコニーのチューリップも大きく伸びてきて、花開く直前にまで膨らんできた。マンションの桜を見ると満開に近い。先輩が「桜の宴」を開きたがっていたのも無理はない。桜の花はなぜか人をウキウキさせる。子どもたちも舞落ちる桜の花ビラを追いかけて大はしゃぎしている。
午前中、友だちが来て話し込んだ。私たちの市は昨年の春の選挙で若い、新しい市長が誕生した。今年は県議の選挙が行われるが、自民から2人が立候補するようで、事前の激しい政治活動が行われている。市議も駅前に立って、応援するように要請されているようだが、何が争点なのか私たち一般市民にはよく分からない。
国政は政党がそれぞれの政策を掲げて選挙を戦うが、それでも最近はどこの党が何を主張しているのかハッキリしないが、地方自治体の選挙となると各政党とも明確な違いを打ち出していない。地方では政策の違いを出さないことで、票の奪い合いを目論んでいるのかも知れない。
なのに、国政の選挙には地方議会議員が動員される。県議選でも市議や町議が票集めに駆り出される。国会議員の下に県会議員がいて、その下に市議や町議がいる組織図が出来上がり、互いに持ちつ持たれつの関係になっている。国と地方自治体とでは、担っている役割が違うのに、選挙で都合がよいというだけでもたれ合っている。
だから、そこに利権が生まれる。権力を持てば、金も動く。日本の泥臭い政治風土がある。「これを変えていかなくては、市民本位の行政にならない」と、外野席の私は呟く。それでも新しい人たちが市の担い手になってきているから、少しずつでも変わっていくだろう。季節は一気に春になってしまったが‥。