学校の先生の超過勤務が問題になっている。先生も1日8時間労働が原則だが、働く中身が時間で計れないケースも多い。例えば児童・生徒を引率して旅行なりキャンプなりに行けば、出発から帰るまで責任を持たなくてはならない。
それでも教師になるような人は苦にせずに働いてきた。ところが今の教育現場は以前に比べて提出書類が多く、仕事量が半端ではないようだ。学校にいれば児童・生徒に対応しなければならないし、モンスターペアレントにも応答しなくてはならない。
私が教員になったのは半世紀も前で、しかも伝統ある県立の工業高校だったから、まるで大学のようだった。先生は授業と言わずに、「講義に行ってくる」と言っていた。受け持つ授業が無ければ、学校にいない先生もいたし、さっさと帰っていく先生もいた。
部活動は盛んだったが、高校生の自主性に任されていた。私は美術クラブとブラスバンド部の顧問だったけれど、ブラスバンドは合宿に付き合い、発表会について行くだけだった。学校が好きだったから居残ることも苦では無かった。
今、先生たちの中には月100時間も残業している人がいる。小・中学校でも部活が盛んで、県大会や全国大会の出場校をはじめに滅茶苦茶練習が厳しい。勝つことが目的になっているからだが、小・中学生なら楽しむことだけでいいと思う。
私たちの時代はどんなに超過勤務であっても手当ては無かった。今も先生の勤務内容から時間外や休日手当は支給されないが、わずかな手当は出ているようだ。学校がブラック企業などと言われるようでは情けない。若い人たちが教育に誇りと情熱が持てるような仕組みに改善すべきだろう。
教師になってみればわかるが、子どもたちと一緒に学ぶのはとても楽しい。明日はこれをやってみようとか、あの子にはコレがいいかとか、プランを考えることも心躍る。先生になった人が、失望してしまうような超過勤務はぜひ無くしてもらいたい。