友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

人生を精一杯生きてきた

2021年01月26日 17時09分52秒 | Weblog

 まだ、高校時代の思い出の余韻に浸っていた。学年は6クラスあり、1クラスが55人か56人あったから、同じクラスにならなければ名前も顔も思い出せない。同じクラスでも余り話したことの無い子もいたから、記憶が曖昧だ。清掃当番なのに帰宅する子がいて、「どうしたの?」と聞くと、「これから予備校だから」と言う。

 進学校だから仕方ないのかも知れない。だから新聞部の仲間とはよく話せた。学校の同窓会には行く気が無くても、新聞部の集まりだけは続けてきた。女生徒はクラスに10人程度だったから、奪い合いだったのかも知れない。私は中学から好きだった女の子と一緒に入学できたから、それだけで満足していた。

 「告白したことは?」と聞かれて、「無いけど、相手も分かっている」と強がって言ったが、ふたりで一緒に帰るとか、どこかへ出かけることもしなかった。文芸部の機関誌に書いた詩や短文を、「君のことだ」と言って渡したが、照れくさくて話は出来なかった。私は彼女のことは何でも知っているつもりでいたが、「あなたにふさわしい人を見つけて」と言われ、それが最後になった。

 私が首長選挙に立候補した時、新聞部の仲間から、「お前は政治の世界より、芸術家の方が向いているのに」と言われた。自分でのそれを認めながら、「男の意地」で突っ走ってしまった。振り返れば人生はいろいろある。悔しいことも情けないことも数多い。過去は取り戻せないから、「これがオレの人生」と受け止めるしかない。

 高校時代に「オレが総理になったら、お前が官房長官」と指名されたが、友だちは総理にはなれなかった。なれるとは思っていなかった夢だが、そんなことを口にしても恥じらうことが無かった。私たち仲間の友情に変わりはない。私たちは皆、人生を精一杯生きてきた。

 

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