朝、友だちから電話がかかってきた。「私、朝4時から深夜ラジオを聞いているのですが、佐藤優さんが出ていました。面白い人ですね。パソコンでラジオ深夜便を検索すると、聴き逃した番組が聞けるサービスがあるので、ぜひ、探してみてください」と言う。
彼女はそんなに早い時間からラジオを聞いているのかとびっくりしながら、言われるように検索してみた。ラジオ深夜便という番組はNHKが制作している。今朝の4時からの放送をクイックすると、「本日のゲストは、作家の佐藤優さんです」と紹介されていた。
佐藤さんの声は若々しいし、テンポもいい。15歳で東欧・ソ連をひとりで旅したことや、収監された拘置所の隣りだった連合赤軍の坂口弘から学んだこと、今、大学や高校で教えていることなど、確かに面白い内容だった。
『15の夏』の〈下〉に、佐藤さんが同志社大学の神学部を目指すきっかけを与えてくれた浦和高校の先生の話が出てくる。また、ソ連からの帰国の船の中で出会った高校の先生の、進学校に入学したものの馴染めなかった原因の解説は私を大いに納得させてくれた。
成績の優秀な生徒が集まって来る高校なので、順位が付けば結果に圧倒されてしまう。苦手な学科が出来て、さらに成績が落ちる。何かひとつ、成功体験があればうまくいくとその先生は言う。私は子ども扱いの中学とは違うはずと高校に期待していたので、大学受験に向けた教育に幻滅してしまった。高1の最初の試験で、国語が学年で1番だった。「普通高校は大学の予備校なのか」と新聞に投書して掲載された。この2つが無ければただの落ちこぼれだった。
この天候不順の中、カミさんたちはゴルフに出かけた。私は反省会にだけ参加する。