朝は晴れていた。雲はあったが、切れていて、陽差しもあった。春日井へ井戸の手押しポンプの取り換えに出かけた。フロントガラスに小さな雨粒が当たってきた。それでも雲に切れ目はあり、大雨にはならないだろうと現場に向かった。
古い手押しポンプを外し、内側にステンレスを張った新しい手押しポンプの土台を取り付けようとする頃から、次第に雨脚が強くなりだした。依頼主のカミさんが、「あんたたちもう止めやあ、これからもっと雨が降ってくるで」とスマホをリーダーに見せる。
「とりあえず、ここまでにして喫茶店に入って様子を見ようか」とリーダー。道具や部品を車に積み込んで、雨の中を出発する。仲間のひとりがスマホを見ながら、「これからがピークになりそうだから、今日は止めとこまい」と言う。
ホンの5分も経たないうちに、雨脚はますます強くなってきた。あっという間に、前が見えないくらいの土砂降りとなった。どこかで雷も鳴っている。後で聞いたが、春日井の高蔵寺辺りは大豪雨で、中央線は運転を停止していた。
局地的な豪雨を体験することになった。3車線ある41号線の、走行している車線が見えない。辛うじて前を走る車のライトを頼りに、車間距離を保って走る。30分も走ると、後方はまだ空が暗いが、前方はやや明るくなってきた。雨脚も和らいできた。
明日の天気予報をスマホで調べてもらうと、作業は出来そうだ。再び明日、取り付け作業をすることになった。スマホを持たない私と先輩は全く時代遅れになってしまった。