友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

大澤樹生さんは何を得たかったのだろう

2014年01月17日 16時28分39秒 | Weblog

 元光GENJIの大澤樹生さんが、別れた妻の喜多嶋舞さんとの間に生まれた、長男との血縁を調べるDNA型鑑定を行ない、その結果を公表した。「自分に似ていないので調べた」と説明していたけれど、本当にそんなことをする親がいるのかと驚いた。以前、新生児の時に取り替えられたことを知らずに、子どもを育てた家庭を描いた映画が、国際的な評価を受けて話題になった。また、実際に新生児の時に入れ替わり、60年以上経て、似ていないからとDNA型鑑定を行ない、入れ替わったことが明らかになった事件があった。

 映画の方は福山雅治さん主演で、テレビでも何度か取り上げられた。事件の方は、一方が不動産屋の社長、もう一方は父親を亡くして苦労した運転手だった。お金があれば幸せになれるが、無ければ苦労が付きまとう典型的な人生だった。社長の方の親族がDNA型鑑定を行なったようだったが、その結果を受けてあの二組の家族はどうなったのだろう。「似ていない」と思っていたところで、長い年月を家族として暮らしてきた。血縁が無かったと分かっても、これからの暮らしをどうしていくか、選択は難しいだろう。

 大澤さんはなぜDNA型鑑定を行なおうとしたのだろう。結果が分かったら、どうするつもりだったのか。息子は17歳という感受性は強いが未熟な年齢で、しかも障害があるという。血のつながりがあるなら公表してもよいが、そうでないなら伏せておくのが父親だと私は思う。世の中には血縁の無い親子はいくらでもいる。血がつながっていないから親子関係がつくれないということは全く無い。逆に、血がつながっているのにいがみ合い憎しみ合っている親子もある。

 私は戦時中の生まれで、学校へ上がった時、「自分は養子だった」と言う友だちに5人も出会った。そのうちの3人の家に遊びに行ったが、血のつながった我が家よりも家庭らしくて羨ましく思った。もし、自分に子どもが生まれなかったなら、5人の子どもを養子にしてバスケットチームをつくろう。9人なら野球チームだなどと夢見ていた。大澤さんたち大人は自分で生きていけるけれど、DNA型鑑定でつながりを否定された子どもはどうやって生きていけばいいのか。

 弱い立場の人のことに、配慮ができないのは大人ではない。子どもを傷つけ、周囲を傷つけ、自分も傷ついて、いったい彼は何を得たかったのだろう。

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