友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「結婚ってさ、諦めと忍耐よ」

2014年01月11日 16時33分01秒 | Weblog

 「食器を早く片付けたいのに、お酒を飲むとちっとも終らないのよ」。「食事の時間はどうしている?」。「だいたいテレビ見てるから、会話はないわ」。「夫婦って意外に会話がないわよね」。「だって、子どもがいないから何も話すことがないわよ」。「ウチは見るテレビも違うから、別々の部屋でそれぞれ見てる」。「寝る時間も、寝る部屋も別々ね。その方が気楽じゃーない」。「それって、ちょっと寂しくない」。「全然寂しくなんかないわよ。気を使わない方がお互いのためよ」。

 還暦を迎えるにはまだ早い女性たちの会話だ。この世代はまだ、女性が家事を行うことが当たり前という風潮が残っていると言う。ダンナの母親が専業主婦の場合は、息子であるダンナは「食事の手伝いはしないし、食器洗いもしない」、要するに家事は女性がするものだと思っている。何かをするとしても、「言われたことをいやいや手伝うという感じ」と彼女たちは言う。息子や娘のダンナが家事を手伝う姿を見ても、「よくやっている」くらいにしか思っていないらしい。

 「私、凄くショックだった」と前置きして、「ある時、夫がポツリと『結婚しなければよかった』と言うのよ。だから離婚しようというわけじゃーないけど、普通は口には出さないでしょう。お互い様なんだから。私だって、そう思う時はいくらだってあるんだから」と怒る。確かに結婚する時は大好きでも、一緒に暮らしてみるとムカッとくることもあるだろう。たとえ親子でも兄弟でも、どんな親友でも、人が人を完全に容認することなどあり得ない。

 「結婚ってさ、諦めと忍耐よ。嫌なものは見ない聴かない、そうすれば何とかやっていけるわよ」。「そんな味気ないものでいいの?」。「嫌なら結婚しなければよかったのよ」。「いまさら離婚なんか出来ないわよ」。「だったら、仲良くすることね。角を立てないだけでもいいんじゃーない」。「もうこの歳になれば、今までやって来たことを直すなんて無理よ。相手だって同じよ。だから私は私、あなたはあなた。お互い様なんだと思えば多少のことは平気よ」。「やっぱり、経験ね」。

 どこまでも続きそうな会話だった。

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