友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

生きているって何?

2014年01月30日 19時03分07秒 | Weblog

 久し振りに孫娘とデートできた。彼女は女優の井上真央さんのファンで、真央さんが出演している映画『永遠のゼロ』を観たいから一緒に行こうというのだ。零戦乗りの映画だけれど、彼は常に「生きて帰りたい」と言っていたので、「腰抜け」「卑怯者」と呼ばれていた。そんな男が最後に、特攻隊員となって死んでいく。涙が流れて、流れてばかりいた。人の一生の物語としては誠に短く空しい。

 昨夜は名演の1月例会で、音楽劇『わが町』を観た。20世紀初頭のアメリカ、東海岸の小さな街に住む、2家族の子どもたちが結婚し、子どもを授かり、そして亡くなっていく、ただ、それだけの普通の、しかし短い人生の物語である。全編、セリフを歌って聞かせてくれるので、単調で盛り上がりに欠けていた。俳優たちや音楽劇を作った人たちは、それぞれに力のある人なのだろうけれど、物語が単調であるからなのか、今ひとつピンとくるものがなかった。

 途中から席を立つ人もいたし、コックリ眠りをむさぼる人もいた。私は、この芝居が何を伝えたいのかと気になって、最期まで緊張して聞き入った。私の解釈では、「人生とは何か」を問うているようだ。医者の息子と地方新聞の編集長の娘は、高校を卒業するとすぐに結婚する。それが当時の習慣だった。「素晴しい結婚式だった」と周りの人たちは祝福するが、実は直前になって、ふたりは結婚に対する不安から止めたくなっていた。

 結婚したふたりは農場経営に一生懸命で取り組み、成績を上げていく。ところが突然悲劇が起きる。ふたり目の子の出産の時、妻は死んでしまう。死んだ妻が現世に戻りたいと願って、自分の12歳の誕生日を見るけれど、人は忙しく生きているばかりだ。人はなぜ、先のことも考えずこんなにも忙しく生きているのかと彼女は嘆くけれど、結局、これが人生なのだと悟る。朝が来ればいつか夜になるし、春が来ればまた、暑い夏そして寒い冬へと変わっていく。小さな町、そこで生きている人々にそれぞれの人生があり、そのひとつ1つは尊く、夜空の星のように輝いている。けれど、生きているって何?

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