特定秘密保護法案が閣議決定され、国会に提出された。安倍首相は「早期に成立させ、漏えい防止の体制を確保することが必要」と言う。「国家の秘密がもれるようなことがあってはならない」と石破自民党幹事長は強調する。なぜ、国家は秘密を持つのだろう。外交や軍事に秘密はつきもので、それが漏洩すれば国家の威信は失墜すると政治家は主張する。
ドイツのメルケル首相の携帯電話をアメリカの情報機関が盗聴していたようだ。ドイツだけでなく、フランスやブラジルやメキシコなどの首脳らの盗聴や情報収集も行なわれていたらしい。安倍首相は記者会見で「盗聴は大丈夫か?」と聞かれ、「全く問題ない」と答えたが、きっと内心では不安で、すぐさま調査させたと思う。アメリカは敵対国だけでなく、同盟関係にある国であっても情報収集にぬかりはない。
国と国とは、表面では仲良くしていても、相手の国が本当はどうなのかを知りたがっている。政治家の皆さんが好きな「国益を守る」とはそういうことなのだ。お互いに騙し合っているのが国家なのだろう。あらゆる手段を用いて、相手の国の動向を把握するのが外交だ。だから盗聴や盗撮や犯罪的な行為が存在する。ドイツのメルケル首相の抗議に対してアメリカは、「今は行なっていない」と、盗聴していないことを強調する。それは過去には行なったし、この先も行なう。それが外交と公言しているようなものだ。
空にはハイテクを満載した無人飛行機が飛んでいる。アメリカが多く保有しているけれど、中国も航空機ショーで同様の無人機を展示していた。第3次世界大戦となれば、人間が戦場に到着する前に、こうしたハイテク兵器が無差別の大量破壊を行なうであろう。無人飛行機、無人戦車が活躍する何とも不思議な戦争だが、その前に核弾頭が飛び交い、人類の大半が命をなくすだろう。これはもう狂っているとしか思えない。
機密があるからこれを知ろうとする。機密がなければ、盗聴や盗撮や犯罪的な行為も必要ない。特定秘密保護法案など成立させずに、「わが国は国家機密を持ちません」と堂々公言する国家が生まれてもいいじゃーないか。