友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

震災に学ぶー秋の研修旅行 最終回

2013年10月23日 17時19分08秒 | Weblog

 みんなが見たかった浄土ケ浜は台風のために見られなかった。回遊船は欠航となっていたし、海岸に下りる遊歩道も封鎖されていた。三陸海岸は美しいリアス海岸で、しかも岸壁はどこも厳しい岩場になっていて、青い海と黒い岸壁とその上の松が素晴しい。岩場の途絶えた所にわずかな浜が出来ていて、港が造られている。その港が3・11の津波で壊滅的な被害を受けたのだ。

 海岸沿いの古い道路を走った。この道もきっと戦後になって出来たのだろう。被災地を見ながら小本まで来た。ここから内陸へ向かう。2日目は午後5時頃には宿泊地に着いた。食事の前にお風呂に入る。龍泉洞温泉は沸かし湯だ。地元産のサイダーがあるくらいで、温泉は炭酸っぽい。ホテルの中で食事が出来ることと、昨日に比べてゆったり出来たことからか、大いに飲み、話した。老人たちの勝手な話に仲居さんは気を悪くすることもなく、笑顔で対応してくれた。

 長老が言う。「東北の女性はどうしてこんなに優しいの。今朝の民宿のオバサンもアンタも、とっても親切で気が利いていて、笑顔がいい」と。確かにそんな気がする。相手を思いやる気持ちが強いし、大事にする。私たちはすっかり東北女性ファンになってしまった。翌朝、日本三大鍾乳洞のひとつ龍泉洞を見学した後、朝のコーヒーを飲もうと早坂高原へと向かう。春のレンゲツツジ、夏は緑、秋の紅葉がきれいというが、トンネルが開通して客足は少なくなったという。

 ビジターセンターの駐車場には1台の車も止まっていない。センターの扉は閉まっている。ダメかなと思いつつも大声で呼んでみた。カミさんが「いいですよ」と言って、ストーブの傍に椅子を並べてくれる。まきストーブが赤々と燃えていて暖かい。先に暖かいお茶を出してくれる。「コーヒーありますか」と言えば、「少しお待ちくださいね」と言って板場に戻り、コーヒー豆を挽きだした。高原に人がいないと言うと、「ここの一番の見ごろは春で、カタクリの花が咲く頃はとってもキレイですよ」と教えてくれた。東北で出会った3人目の優しさに溢れた女性だった。

 『震災から学ぶ』をテーマに回ったけれど、誰もが活き活きと生きている。直向きで真面目な生き様に教えられる。どんなに備えても災害は必ずやって来る。備えることは大切なことだけれど、本当に大切なのは他人を思いやる心のように思う。帰路は全て予定通りで、午後6時には家に着いた。3日間の運転だったけれど、疲れはなかった。むしろ、皆さんに「よかった」と言ってもらえるようにと思う、気疲れが大きかった。

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