散策すると、どこからともなく三味線の音が聞こえることがある祇園や宮川町など花街。大和大路通を、南座から南へ下がると、一軒の歴史を感じさせる佇まいのお店が見えてきました。「なんのお店かなぁ~」とミモロは中を覗きます。


ネコのミモロとしては、ちょっと後ずさりしてしまうお店です。
「でも、三味線のお店って珍しいし…京都の伝統文化には欠かせないものだから…やっぱりリポートしよう…」と勇気を奮い立たせて店の中に進みました。

このお店は、江戸末期に創業され、現在、9代目となるご店主が家業を担っています。

現在、京都には3軒の三味線屋さんがあり、それぞれが花街などの顧客からの注文にこたえています。「金善楽器店」は、祇園からの注文をはじめ、歌舞伎や日本舞踊などの奏者からの注文が多いそう。
「あの~何してるんですか?」と、興味津々のミモロ。
「三味線の皮の張り替えをしたものに弦を張っているんです」と。

「皮の張り替え…」その言葉に、また後ずさりするミモロです。
「あの~皮って、なにを使ってるんですか?」と、ついに質問。「はい、ネコの皮です」。
「あ、そう…」とミモロ。「ほかにも犬も使います。江戸時代は、沖縄からネコや犬の皮が入ってきたんですが、現在は、国産のものではなく、タイ、中国、韓国など海外から…それを三味線の皮に国内で加工するんですが、それができる人がいなくなっているんです。だから、合成皮革が増えています」と。
「日本のネコじゃないんだ~」とちょっと安心したよう。
「これが皮?」

ご主人に三味線に張る皮を見せていただきました。

「どうしたんですか?」「あの~実は、ミモロ、クマじゃなくて、ネコなんです…」と告白。
「あ、そう、小さいネコは使い物になりませんから…」その言葉にほっとした様子のミモロです。
「この点なんだかわかりますか?」と白い皮の上に、ぼんやりと黒っぽい点が2つずつ並んでいます。

三味線の胴にピタッと張られた皮。「寒梅粉」という昔から使われている糊で固定するのだそう。皮は、わずか数ミリの糊しろで、胴に張られています。「この部分が広いと三味線が美しくないんです」と。「はがれたりしないんですか?」とミモロ。「まぁ、3年に1度くらい張り替えるのが一般的でしょうか…やはり天然ものの方が、剥がれにくいんですが、高価ですからね~。また音色が、やっぱり天然もののほうがいいといわれているんです…」

三味線と言っても、長唄、地唄、小唄、津軽、沖縄などいろいろな種類が…。その弾き方にも違いがあり、皮の張り具合も、それぞれに…。
皮を張り替えた三味線には、糸を張ります。


「あ、これバチでしょ?」


最高級の象牙のバチが並びます。
ミモロも初めてバチを持たせてもらいました。「こうかな?」見よう見まねで…。


三味線の棹には、ギターのように指で押さえる部分を示すマークがありません。どこをどのように押さえ、どの音を出すかは、習得して身につけなくてはなりません。

「え~これが三味線の楽譜?なんか暗号みたい…・」


もっと暗号のように見えたのは、この楽譜…なんの楽譜かわかりますか?

尺八の楽譜です。店内には、和楽器の楽譜がたくさん…。


また、琴の爪など、さまざまな和楽器の小物が揃っています。


和楽器の演奏は、もちろん、様々なところで聞いたことがあっても、和楽器屋さんは、初めてのミモロ。「なんか知らないことだらけだった~。でも興味惹かれるね~もっと和楽器のこと知りたいね~」と。
京都の小学校では、和楽器に触れる授業も行われ、日本の伝統文化への関心を誘っています。
ネコのミモロとしては、ドキドキのリポートでした。ミモロにお付き合いありがとうございました。
*「金善楽器店」京都市東山区大和大路通四条下ル亀井町57 075-561-2940 10:00~18:00 日曜・祝日休み。ご店主が店にいないときもあるので、事前に問い合わせをおすすめ。
*お詫び・・・ブログアップ当初、店名を間違えて表示しました。御迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。

ブログを見たら、金魚をクリックしてね~ミモロより
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