京都の町中、六角通と富小路通が交差する東側に歴史ある商家があります。江戸後期、文政6年創業の扇子の老舗「宮脇賣扇庵」です。
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「すごく趣あるお店で、ちょっと敷居が高いけど…覗いてみよう…」とミモロは、お店の中へ。
そこには、さまざまな種類の扇子がいっぱい。
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「わ~こんなに種類があるんだ~どれがいいのかな?」とキョロキョロしながら店内を歩き回ります。
「どうしよう…どれにしたらいいのか、選び方がわかんない~」と困惑気味。そこでお店の方にアドバイスを頂くことに…。
「お友達にプレゼントしたいんですけど…アドバイスしてください~」と。
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「扇子といっても、実は、用途によって、いろいろな種類があるんですよ~」とご対応くださった中川さん。
夏、涼しい風を起こすための扇子をはじめ、茶道や和服用のもの。また、舞に使われるものや、室内に飾るためのものなど、いろいろ。
「そもそも紙を貼った扇子は、日本で生まれたものといわれています」と中川さん。
「え?そうなんだ~中国から渡って来たのかと思ってた~」とミモロ。
確かに、中国をはじめ、エジプトやローマなどでも、風を送る大きな団扇などはありますが、コンパクトに折りたたみができるものは、日本発祥という説が…。
扇子の素材は、骨となる竹と扇面の紙が主な材料。真竹を細く薄く削った骨に、紙を貼り合わせて作ります。
今は、扇面が紙製のものだけでなく、洋装に合うように、薄い布や革を貼ったものも人気。その際、扇子は、表面だけに布が貼られます。
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さて、扇子には、男性用(八寸=24センチ)と女性用(六、五寸=20センチ)が昔からありますが、最近は、ユニセックスで選ばれるそう。
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「女性も大きなサイズを持たれる方が増えています。また男性でも、ポケットに入れるのは、小さいサイズの方がいいという方もいらっしゃいます」と中川さん。「つまり、今は、自分の好みでサイズ選べばいいんだね~」とミモロ。
「わ~この扇子の色素敵~」と、艶やかな扇面は、柿渋で表面加工をしたもの。多彩な色が揃い、装いに応じて持つオシャレな方も多いとか。
紙製の扇面には、涼を呼ぶ絵が描かれているのが、昔から人気。
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有名な日本画家が描いた模様なども…。日本らしい風情を描いた扇子は、外国人観光客の日本土産に大人気。手ぬぐい同様、嵩張らず、軽量な扇子は、持ち運びに便利なのです。
「あの~扇子の値段って、なにが違うんですか?」と、ストレートな質問をするミモロ。
「そうですね~職人の手がいろいろ加えられているものは、それなりのお値段になります」と。
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例えば、カワセミが描かれた扇子は、扇子の親骨の部分に装飾が施されたもの。「う~素敵~」とミモロ。
「ミモロちゃんは、どういう柄が好きですか?」と中川さん。
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「う~あのね~ミモロ、お洋服のことが多いから、それに似合うの…それから、体が小さいから、大きな柄じゃないのがいいかなぁ~」と希望を伝えます。
「じゃ、こんなのはどうですか?」と見せてくださったのは、小さな模様が扇面全体に散りばめられたもの。
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小さなトンボた飛んでいます。同じ模様で、サイズ違いもあり、ペアで持つ方も…。
扇面に用いられる柄は、縁起のいいものが選ばれます。トンボはよく兜や刀にも用いられます。
「ミモロちゃん、2階にもいろいろな扇があるので、どうぞ見てください~」と言われ、お店の2階へ。
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広いスペースには、豪華な扇が展示され、「なんか美術館みたい~」とミモロ。
ここには、季節の飾りになる飾り扇などがいろいろ。「お正月飾りに素敵~」とミモロ。そう、末広がりの扇子は、それだけで縁起物。
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「これが、お雛様の扇だ~」とミモロがいうのは、檜扇。薄い板を重ねた扇は、平安時代から宮中などで広まったもの。
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「ミモロね、十二単着た時に、この扇持ったんだ~」と。「え~ミモロちゃん、十二単も着たことあるんですか~」と中川さん。
「うん、まぁ~ね~」と、ちょっと自慢気に鼻を膨らますミモロでした。
「これ、日本舞踊なんかに使われる扇でしょ」そう、舞扇もいろいろ。
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さて、2階の天井を見上げると、そこには、格天井が…。
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幕末、蛤御門の変で、焼失した旧店舗。その後、明治35年、三代目の時代に製作された天井画は、竹内栖鳳、富岡鉄斎、神坂雪佳など京都画壇の48画伯の手によるものだそう。
また、建物の各所に扇をモチーフにした飾りが施され、それを見て回るだけでも楽しくなります。
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「あ、ここにもある~」
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お店の一角にある和室…そこにも扇が飾られています。
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「まだまだ暑いから、扇子、必要だよね~」とミモロ。
涼やかな雰囲気の扇子で誘う涼…目からも涼しさをもたらす扇子です。
*「宮脇賣扇庵」の詳しい情報はホームページで オンラインショップもあります。
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